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2018.07.19
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カテゴリ: アート
静嘉堂文庫美術館 ​で開催中の「明治からの贈り物」展ブロガー内覧会へ
行ってきました。 


河鍋暁斎ファンの私としては、先日の「​ 暁斎・暁翠伝 先駆の絵師魂! ​」
(富士美術館)に引き続き、暁斎の絵を見られるチャンス☆
しかも、あまたある彼の傑作の中でも、なかなかお目にかかることの出来ない
「地獄極楽めぐり図」が公開されると聞き、ずいぶん前から楽しみにしていた
展覧会です




​​-明治150年記念-『 明治からの贈り物』​​

<会場>  静嘉堂文庫美術館(東京都世田谷区岡本2-23-1)
<期間>2018年7月16日(月・祝)~9月2日(日) 
<休館日>月曜日(ただし7月16日は開館) 
<サマータイム開館時間>午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)


<展覧会概要>
経済的な分野のみならず、芸術文化の支援によっても日本を支えたいと
願った静嘉堂の創始者、岩﨑彌之助(1851-1908・三菱第2代社長)と
岩﨑小彌太(1879-1945・三菱第4代社長)父子が蒐集した古典籍・
美術コレクションには、彼らと同時代の、近代の作品も多く収蔵されています。
本展では明治の美術品を中心として、近代絵画で初めて重要文化財の指定
を受けた橋本雅邦の「龍虎図屏風」を含む、第四回内国勧業博覧会
(明治28年〈1895〉開催)出品の屏風の数々、修理後初公開となる
河鍋暁斎の代表作「地獄極楽めぐり図」の画帖、そして当時の洋画界で、
“裸体画論争”に及んだ、わが国“ヌード”の先駆的作品、黒田清輝
「裸体婦人像」など、話題の名品が公開となります。
また今日“超絶技巧”とも称され、人気の高い明治工芸品からは、
刺繍・金工・七宝・漆芸・陶磁器、それぞれ名工の“力作”が並びます。
今日に伝えられた明治の美と技の世界を、緑眩い静嘉堂の100年の杜の中で、
どうぞ心ゆくまでお楽しみください。(HPより)


展覧会場内の構成は
1、岩崎家高輪本邸を飾った明治の美術
2、幕末明治の美術
3、岩崎家と近代美術~第4回内国勧業博覧会と名品~
4、明治の彫刻・工芸の粋 Part.1
5、セントルイス万国博覧会とゆかりの美術
6、明治の彫刻・工芸の粋 Part.2


​会場内は従来ですと ​撮影禁止​ (展示室前のラウンジだけは撮影OK)​
なんですが、内覧会では主催者様のご厚意で本館出展の作品は撮影OKでした。
(他館から出展のものはNG
​この場をお借りして、心より感謝いたします<(_ _)> ​


ブロガー内覧会のスケジュールは
15:15受付のあと『明治からの贈り物』展トークショー(於:地下講堂)
【出 席】静嘉堂文庫美術館 館 長 河野 元昭
     静嘉堂文庫美術館 学芸員 長谷川 祥子
     ナビゲーター   青い日記帳 Tak
トークショー終了後、展示室内自由鑑賞、及び学芸員長谷川さんによる
ギャラリートーク。
以上、内覧会が終了したのは18:00くらいでした。


↑左から館長・河野元昭さま、Takさま、学芸員・長谷川祥子さま


<トークショー内容>
静嘉堂文庫美術館館長である河野元昭さんが選んだ当展の見どころNO3
橋本雅邦「龍虎図屏風」(6曲1双) 明治28年(1895)


解説(HPより)
橋本雅邦(1835~1908)の代表作として知られる本作は、明治28年(1895)、
京都で開催された「第4回内国勧業博覧会」の出品作。
この博覧会では岩﨑彌之助が、屏風絵制作に出資。
当時一流の日本画家たちが10双の屏風を出品した。(うち8双が現在、静嘉堂に現存)
雅邦は水墨画の「龍虎図」の伝統をふまえ、そこに西洋画風の奥行きを表現
、濃彩や金泥といった華やかさを加味した新たな「龍虎図」を創出している。
当時はその斬新さから腰抜けの虎などと酷評もされ、賞も逃したが、昭和30年(1955)
、明治期の日本画革新の記念碑的作例として近代絵画で初めての重要文化財に指定された。


内国勧業博覧会で賞を逃がしたのは、当時にしては画風が斬新過ぎたということ
らしいんですが、確かにそれまでの正統派日本画から見ると少々劇画風すぎたのかも?
でも、とてもわかりやすいリアルさは、観るものを圧倒する迫力でした星
「この屏風絵を見て感激した河合玉堂が橋本雅邦に弟子入りした」んだそうですウィンク


お次は我が国の「ヌード」先駆的作品である黒田清輝「裸体婦人像」


東京上野で開催された第六回白馬会に陳列されたさい、下半身を布で覆って
展示されたといういわくつき(?)の作品。
腰巻で覆うという発想には呆れるばかりだけど、明治期にはまだまだ裸体画に
馴染みがなかったということでしょうね^^;
この絵が飾られていたのは岩崎邸のビリヤード室だったとか。




お次は濤川惣助(下絵:渡辺省亭)の「七宝四季花卉図瓶」1対  


日本の四季を描く洗練された下絵の渡邉省亭と、七宝の大家濤川惣助による
七宝の逸品


河野館長は「饒舌館長」と呼ばれているとかで(笑)、その呼び名に相応しく
次々に披露される薀蓄話はとても楽しいものでした手書きハート
おそらく時間の制約がなければ、館長のお話は留まることを知らぬのでは?(´艸`)
チャーミングなお人柄が伝わってきました


次にマイクをバトンタッチされた静嘉堂文庫美術館学芸員の長谷川祥子さんの
理知的なトークも実に魅力的でした
彼女のトークでは「法律を学ぶためにパリ留学していた黒田清輝が
山本芳翠に勧められ画家に転向した」という逸話や、「セントルイス博での
若冲の下絵を使った織物が出展されたいきさつ」などなど、美術界の裏話が
たくさん伺えてとても興味深かったです


お2人のトークの合間にはナビゲーター役の「青い日記帳」カリスマブロガーTakさん
が上手にお話を誘導&まとめてらっしゃるのも印象的でした
ちなみに以前、彼の著作「素敵な時間を楽しむ カフェのある美術館」を読んで以来、
彼のブログは毎日愛読している私です(^m^)


トークショー終了後は学芸員長谷川さんの案内によるギャラリートークへ




上:菅原直之助「羽衣図 刺繍額」明治40年(1907)頃
下:菅原直之助「鞍馬天狗図 刺繍額」明治40年(1907)頃


旧岩崎家高輪別邸(設計ジョサイアコンドル)であった「開東閣」の
貴賓室に飾られていた刺繍額です。
謡曲「羽衣」と「鞍馬天狗」の舞姿は一見、刺繍とは思えないほど超リアル~びっくり
しかも豪華な蒔絵の額入りで寸法は縦190㎝センチ超え!
単眼鏡でジックリと見せていただいたけど、刺し目があまりに繊細すぎて
絶句するのみでした。
刺繍好きな私としては、この大きさ、しかも緻密なステッチをどうやって
刺したのやら?と考えると眩暈が~(@@)
そういえば以前観た​ 「驚異の超絶技巧!」展 ​(三井記念美術館)でも、
一番感銘を受けたのは「大工図刺繍額」昇竜作 でしたっけ
明治期日本人の手仕事の偉大さには、ただただ感服するばかり



こちらは近代日本画、“歴史画”のはじまりと言われる
菊池容斎「呂后斬戚夫人図」 江戸時代・天保14年(1843)


解説(HPより)
江戸に生まれた幕末明治の画家、菊池容斎(1788-1878)は、“歴史画”の大家。
彼が上古から南北朝に至る主要人物571人を収録した図入り列伝『前賢故実』
全10巻は、後世に大きな影響を残し、その功績は「近代日本画の祖」と評されるほど!
本図は中国・漢の高祖の皇后・呂后が、夫の死後、寵妃・戚夫人を捕らえ、
腕や脚を切り落とし「人ブタ」と名付けて辱めたという『漢書』外戚伝の逸話を、
異時同図法にて描いたもの。
いわゆる“怖い絵”ながら、中国の史実に通じた名画、しかも超大幅(本図寸法は縦2m超)

↓見るも無残な切断シーンを冷たい顔して眺めてる呂后婦人の表情が怖い~





そして、そして前から一度見てみたかった河鍋暁斎の「地獄極楽めぐり図」







暁斎の贔屓だった日本橋大伝馬町の小間物問屋勝田五兵衛が、14歳で夭折した娘・田鶴(たつ)
の供養のために暁斎に制作を依頼した作品です。
あの世に行った田鶴が、阿弥陀如来に守られながら、冥界ツアーを楽しんだあと、
​その道中画はオドロオドロしい中にも
ユーモア溢れる温かいタッチで、親御さんの気持ちに寄り添った作品になってます手書きハート

​<場面替え情報>​
全40図のうち、物語部分35図を会期中4期に分けて場面替え!
7/16(月・祝)-7/26(木)・田鶴の臨終と来迎、羅人宮、三途の川の渡し舟に乗る等
7/27(金)-8/9(木)・賽の河原、旅館はりやま到着、田鶴の身支度等
8/10(金)-8/23(木)・家族との再会、芝居小屋、盛り場等
8/24(金)-9/2(日)・地獄見物、閻魔大王、極楽行きの汽車、極楽往生等
 


出来ることなら全図を観たいのはヤマヤマですが・・・・
さすがにこの暑さでは4回通うのは大変(涙)
お金もかかるし~^^;
なので、私は一番見たいと思っていた「極楽行きの汽車」が出る最終期に
再度出かけようと思ってますウィンク



と、と、あまりに長くなりそうなので、このへんでひとまず休憩ww
part2に続きます (/^-^/





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最終更新日  2018.07.20 17:10:45
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