イヌやネコの検査や治療に関する最新情報(社長の独り言)

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2010.06.15
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カテゴリ: その他
一ヶ月以上のご無沙汰でした。
いろいろ忙しく、書き込みが滞っていました(言い訳です・・・)。
これじゃブログとは言わないですよね(反省)。

そうこうしている内に、梅雨に入り鬱陶しい毎日、特に通勤の電車はいやですね。
さらに、サッカーW杯も始まり、やや寝不足気味です。
昨日のカメルーン戦、見ましたか?
日本人は精神論が好きだ、といわれますが、結局は「気持ち」や「集中力」のような気がしました。

さて、先週の金曜日に、とあるクリニックを訪問してきました。
私が以前より知っている先生で、2年前に細胞免疫療法専門のクリニックを設立、今回やっとうかがうことが出来ました。


細胞免疫療法というのは、身体の中にある免疫を担当する細胞を身体の外に取り出して、刺激を加えて強くし、再び自身の身体に戻して、免疫機能を強化する、というものです。
免疫を担当する細胞とは、たとえばリンパ球や樹状細胞といわれる細胞、また広い意味では今話題の幹細胞、なども含まれます。
いま、私共が技術提供しているイヌの活性化自己リンパ球療法、というのも、この治療法の一つです。

この治療は、主に癌治療が目的ですが、考え方は病院によって様々です。

癌の治療は、まず「標準療法」といわれる、手術、抗がん剤、放射線療法から始まります。
いろいろな検査をして、癌のステージ(悪性度や進行度、など)を解析、治療法を決めていきます。一通りの治療(1クール、というよな言い方をします)が終了すると、休薬など治療を一旦中断して効果を確認します。

このような標準療法はマニュアルがあり、患者さん個々の状態よりも病気を優先した考え方ですので、癌の種類やステージによってある程度治療方針が決まってきます。したがって、患者さんの意見や希望は、あまり組み入れられない、ということです。

このクリニックの先生は、標準療法プラス副作用が少なくて効果が期待出来る治療法があればそれを選択して患者さんに提案し、患者さんの希望に出来るだけ沿った形で治療する、ということをコンセプトにしています。

現代の医療を考える時に、特にそれが「高度医療」ということになると、患者本位より治療本位になっている傾向があるように思います。
医師も学術的なことを言葉に出して説明し、一方患者さんはよく理解できていないのに「分かりました、先生にお任せします・・・」と、返答せざるを得ない、ような。

そして、このクリニックで多いのが、大学病院などで「もう治療法はありません」と言われた患者さんが受診するケースだそうです。でも、先生曰く、よく診れば、保険が使えない抗がん剤や、効果が期待できる免疫療法があったりするそうで、一つの治療が終わった後に、次の治療を受けることも可能だそうです。


つまり、患者さんの立場に立って、効果が期待できる治療法をいろいろな角度から検討して、選択して、提案し、患者さんの希望も聞き入れて、一緒に考え治療を進めていく、という考え方です。このときに、上に書いたような保険適応外の抗がん剤や免疫療法、サプリメント、健康食品、食事指導など、効果が期待できることを取り入れていく、これを「統合医療」といいます。

ちなみに、この先生は、標準療法を否定しているのではなく、標準療法で効果が期待できる場合は、標準療法を紹介するそうです。この先生自身がバリバリの外科医ですので、標準療法の効果や限界は良く知っています。

この話を聞いた後、これは獣医療にも共通する考え方だな、と強く感じました。

近年、獣医療もヒトの医療に続けとばかりに発展しています。
特に、新しい治療法や薬が使われてきています。


たとえば、イヌやネコに癌が見つかったとき、動物病院ではたぶんマニュアルに則った標準的な治療法を提案されるでしょう。
でも、それが良いのかどうか、我々には検証する知識も術もありませんので、「先生、お願いします」というしかないのが現状だと思います。

まして、動物は言葉を話せません(「わが家の犬は言葉をしゃべる」という飼い主さんが近所にいます・・・)。彼らの希望を聞いて、などというのは悲しいかな不可能です。
そう考えたときに、この「統合医療」という考え方は動物医療も取り入れるべきものではないかと思いました。

先日、免疫療法を実施されているある獣医さんから、こんな問い合わせがありました。
その時の電話でのやり取りです。

先生「免疫療法の効果を判定するいい方法は無いでしょうか?」
私 「免疫療法だからといって、免疫機能を解析してもなかなか上手くいかない事が多いです。でも、効果としてはQOL(生活の質)をよく改善する、という報告が多いですね」
先生「QOLは客観的な評価は難しいですよね」
私 「確かに難しいですね。治療ですから病気が直ることが一番ですが、飼い主さんにとっては、可愛いイヌやネコが散歩が出来るようになったり、食欲が戻ったり、などQOLが良くなることも大事じゃないでしょうか。それを数字で表して比較したりすることは凄く難しいですよね。それぞれに違うわけですから。」
先生「飼い主さんにとっては確かにそうですね。特に新しい治療や高度医療を行うと、とかく学問的な解析に目が行きがちで、飼い主さんが何を一番希望しているか、あまり考えなくなってしまうことあるかもしれません・・・」
この先生は、正直にそう仰っていました。

私どもも、獣医療に関わる仕事をしていますので、治療について問い合わせを頂くことが良くあります。我々は治療には関わってはいないので専門的なことは分からないのですが、先生方がどんな考え方で治療しているか、その一端に触れることが良くあります。

この「統合医療」という考え方、獣医療にぜひ取り入れるべき、と強く思いながらの訪問でした。

我が家のメタボナナちゃん、クッシングも今は薬で治まっていますが、結局は完治の見込めない病気です。いつまでも元気で生活させてあげたい、これは飼い主共通の思いですよね。

これが今日のメタボナナちゃん、暴睡中です。





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Last updated  2010.06.15 21:07:40
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