記憶の記録

2009.10.30
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トヨタレンタカーでプリウスを借りる。
ドライブは乗りなれた車に限る。
もっとも、僕は車を持っていないからプリウスは田村京子に合わせて選択した。
旅の始まりは、なんだかとてもわくわくする。
日本中を旅している僕だが、今回だけは特別だ。
彼女がはるばる前橋からたずねてきてくれたのに、高山の家に居候だったから二人で遠慮の塊となっていたのだ。
やっと二人きりですごす事が出来る。


「どこへ行こうか?」
「そうね、まずは鳥取砂丘なんてどうかしら。」


 進路を東に取り、空から見て大好きになってしまった中海に浮かぶ大根島を抜けると、すぐに境港に着く。
 観光客で賑わう水木しげるロードをゆっくりと通り抜け、境港の水産センターで海鮮丼の昼食を取る。
 この海鮮丼は信じられないほど旨い。以前、高山が案内してくれたおかげで迷わずにたどり着く事が出来た。
 美味しいものを食べているときの笑顔は最も幸せな笑顔だ。それでなくても田村京子は美しい顔立ちなのに美味しい顔といったら、見ている僕が涙が出てしまう。
 出雲から鳥取砂丘への道のりは160kmほどだが、僕たちは寄り道をしながら走っていったために6時間以上もかかってしまった。もっとも、感覚的には6時間ほどのドライブは一瞬でしかなかった。僕の一人旅なら熟睡の一瞬だが、二人の旅はハッキリ起きているのにあっという間だった。
 鳥取空港の傍らを抜け10kmほど走り最後カーブを曲がると、薄暮の中に巨大な鳥取砂丘が広がっていた。
 秋の長雨はとうに過ぎていて一年で最も乾燥する季節になっている。乾燥した砂は美しい風紋を作る。肌理の細かい砂の風紋は大自然の織り成す芸術に他ならない。
僕たちは裸足になり、すでに夕闇の砂丘を歩いた。限りなく続く風紋はふたすじの足跡を快く受け入れてくれる。僕たちはどこまでも歩き続けた









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Last updated  2009.10.30 18:27:55
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Re:住宅革命その64(10/30)  
kamita53  さん
今から、小説家という手もありますね。 (2009.10.30 19:46:58)

きれー  
セキロくん  さん
限りなく続く風紋はふたすじの足跡を快く受け入れてくれる。

kamitaさんに同じく、美文ですねぇ。
久々に思いました。 (2009.10.30 23:52:15)

うれしいですね  
お二方のお褒めの言葉は
最高の賛辞です
ありがとうございます
がんばります (2009.10.31 08:23:32)

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