むかし、ダイダラボウ*1という大男がおりました。山のように大きな体で力持ち。でも、体に似合わずとても気が優しいので、みんなに好かれておりました。
ダイダラボウが住んでいたのは大足(現在の水戸市大足町)というところで、村人は田や畑をたがやして暮らしておりました。
ある日、仕事帰りの村人たちが、南の方の朝房山を見上げながら「あの山さえなければ田んぼや畑にいっぱい日が当たって野菜がもっと取れるのになー。あの山ぁ朝房山じゃなくて朝寝坊山だんべ」とぐちをこぼしているのを耳にしたダイダラボウは、「よしそんだらあの山をどっかに移してやんべ」と決めたのでした。
ダイダラボウは朝房山を動かし始め、両手で朝房山をしっかりと抱えこみ、渾身の力をふりしぼって持ち上げると、その重みで大きな足跡ができたのでしたが、のっしのっしと人の住んでいない北の方に向かい、やっとの思いで人の住んでいない場所を見つけ、そこに山を移したのでした。
山が北に移ったおかげで、村では朝寝坊する人もいなくなり、日あたりが良くなって田畑の作物もたくさんとれるようになったということです。村人たちは、これもみんなダイダラボウのおかげと感謝したということは言うまでもありません。


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