魔法の時間

魔法の時間

2006.01.31
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カテゴリ: 創作詩
前髪が冷たく凍る。


どこからかお煎餅の焼ける匂いがする。
おじさんがうちわをぱたぱたさせて、
お醤油の香りがぷんぷんする。

鰻の蒲焼を焼く威勢のいい男のかけ声がする。
ジュージューという音と、やっぱり香ばしい匂いが漂ってくる。

右手で、ちゃんちゃんこを売る店の背中の曲がったおばあさんの笑顔がかわいらしい。


道を行き過ぎる人の波。



肩車でお父さんの頭の上でおおはしゃぎの坊やの甲高い声は参道にこだまする。

「晴れてよかったね」
そう言いながら、来年もまた来ようと誓いあう恋人たちは眩しくて。

異国の人が、風景をカメラ片手に過ぎてゆく。
何だか、不思議な光景。


毎年同じ。
でも、毎年ちょっとずつ違う元旦の日。


リュックサックの僕は、そんな人たちに笑みを浮かべながら。
これからどこかの国に行こうか、さ迷えるだけ、さ迷ってみようか、なんて考えている。





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最終更新日  2006.01.31 19:45:09
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