魔法の時間

魔法の時間

2007.07.10
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カテゴリ: 短編小説
例えば、


”いつも北から西へ、東から南へと、落ち着かなく吹いて、せわしない。けれど、あなたの梢にぶつかると、何故かとってもやさしい気持ちになる。なぜかしら”

私は微笑み、答えるよ。
『それはきっと、古より私たちが友達だったからだろう』
風は、ありがとう、と言って又去って行った。


例えば、一羽のうさぎが尋ねるよ。
”どうして私は白いのかしら。どうして私は小さいの?”

私は頷き、答えるよ。

うん、そうか、と言って、うさぎはぴょんぴょんと跳ねていった。なんて可愛い子だろうね。


ある日、鳥の夫婦が鳴いていた。
”いつまでたっても雛が孵(かえ)らないの。もう、エサをあげるのにも疲れたわ”

私は小首をひねり、答えたさ。
『あんまり焦るな、鳥たちよ。大人になるのと同じように、今雛も戦っているよ。一生懸命、応援しておやり』

夫婦は涙ぐんで、目をぱちぱちさせたさ。ありがとう、ってね。





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最終更新日  2007.07.10 13:56:34
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