ビジネス徒然草(Shimi's Blog)

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2005.01.24
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カテゴリ: ビジネスモデル
数ヶ月前、SONYのイヤホンの広告を地下鉄で見ました。

私は、それを見たとき、そう思い、ふとウォークマン全盛当時のSONYを思い出しました。

その当時のSONYを表現すると、「ちょっと良いよね」という言葉があてはまるのではないでしょうか。
この「ちょっと」というのが味噌で、もの凄い技術革新、というよりは、ちょっとした一工夫でクールに見える、と言えば良いのでしょうか。

そのイヤホンは、既に当たり前になりましたが、耳に挟むタイプのもので、収納時にコードが中にしまえる、というものでした。
ちょうどイヤホンを探していた私は、しまった後の姿の良さに何となく惚れました。
聴く時だけでなく、しまうときもクールでありたい、というちょっとした工夫で違う価値を出す。
まさに、SONYの真骨頂だと思います。


実際、昔ほど、欲しいと思う商品はありませんでしたし、買いませんでした。

特に、高級品シリーズ「QUALIA」。
今は、方針を若干転換し、価格を下げて、各商品ラインの高級版との位置付けにしていますが、昔は、完全手作りのようなもので目が飛び出るような価格付けをし、本当に趣味な人向けにのみ販売していました。
その時のコンセプトは、家電・AV機器業界におけるF1カー。
自動車業界は、F1という最新技術の実験場があり、それによって進歩しているから、家電・AV機器業界でも同じように、F1に変わる実験場を作ろう、ということだったのです。
しかし、現実には大きな隔たりがありました。

それは、一体どういう隔たりでしょうか。
これは簡単で、貴方はF1カーを買って乗りますか? ということです。
SONYは、実験場と言いつつ、それを販売するという方法を取りました。
ある意味、実験場であれば、F1であったり、自動車ショーに出てくるコンセプトカーのようなスタンスであるはずが、超高級商品として販売する、という選択肢をとってしまったのです。
そのため、新たなコンセプトを出す、というよりも、単に高性能であるとか素材が珍しい通常製品が多数出ただけに終わり、F1カーとは違った方向性で進み、最上級ラインでもなくコンセプト品でもない、中途半端な形でのリリースが続いたのです。

そんな中、ちょっとした工夫・デザインでSONYらしさを出す、それを技術が支える、という発想が失われていったように感じます。それが、SONYが以前のような魅力を出せなくなった原因だと思っています。
結果的に、社員が欲しいと思わない商品群を市場に送り出してしまったのです。

SONYはその後、「QUALIA」を改めて、各商品の最上級ラインとして再設定し直しました。
たぶん、全体の戦略が変わっていった一環だったと思いますが、それから地下鉄で見た広告の商品のように、ちょっとした工夫でクールさを出す、という商品作りがやや復活してきたように見えます。
私は、この「QUALIA」の位置付けの再設定は、小さく見えて、非常に大きな良い判断であったと思います。後は、それをキッチリ遂行していけるかどうかでしょう。


それを軸にして生活を変える、というようなことを商品コンセプトに置くことなく、商品は商品でSONYらしさを追い求め、それとは別に、コンセプトを打ち出す実験をし続け、例えば、オール電化のように、一定まで到達した瞬間に、一気に市場へ送り出す。
そんな商品づくりを続けていけば、また欲しくなる商品を産み出す企業へ復活できると信じています。

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最終更新日  2005.01.25 03:03:23
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