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2011年06月01日
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カテゴリ: 友人

実は、病院で同室になった方が、亡くなりました。

ご家族が教えてくださいました。

「夏休みまでには家に帰って子どもと過ごしたい。」

と言っていたし、そう出来ると私も信じていました。

ここ20年近く、私は、ターミナルの多い現場で過ごしてきた。医学的なことは全くわからないけれど、そこで感じたのは、家族の愛が奇跡を起こすということでした。全く問題ないオペなのに、患者さんが、もういいんだわなんて投げやりな人。難しいオペで予後も良くないとされている方でも、ものすごく家族が真剣で一生懸命な人。両者のその後の顕著な違いの例をたくさん見て来た。

彼女の家族はその後者に当てはまっていたのです。ご主人や、ご両親のみにあらず、お舅、お姑さん、そのご近所さんまで、御兄弟から従妹さんから、それはもう一生懸命でした。だから、彼女は大丈夫だと思っていました。

ところが、暫く前に

病室へお見舞いに行こうと思っていたら、外来で会ったのです。彼女は受診が終わったところで私はこれからというところでした。

「なぜ?」

結局治療は中断とのことで、私の方が呆然としてしまっていたら、

「××さん(私の名前)、気を付けて帰ってね。体大切に。」

と言ってしっかりした足取りで帰って行った。

私は、茫然として、声をかけることも忘れ、会ったら渡すはずの手土産も渡しそびれてしまった。

彼女が亡くなったのは、その翌朝との報を受けて、2度目の茫然自失!!

彼女との思い出が走馬灯のように駆け巡る。

いつも笑顔で、愚痴や溜息を決して洩らすことのなかった彼女。治療の内容や、体の状態から推測すると、かなり大変だっただろうと予測されたが、彼女は、本当に淡々と基本的生活習慣をこなしていた。人はぐったりして体調が悪い時には自然とため息が出るものだと思うが、彼女は、いつも笑顔で明るくふるまっていた。

そんな彼女だから、もう、家族やら友人やらのお見舞いもひっきりなしであり、人が羨むほどでした。


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私が、思考能力が低下したときに貸してくれた本。

映画を見たり、本を貸し合ったり、お互いの郷里のこと。楽しい話題でいっぱいだった。

昔の写真や、家族の写真も見せあったりした。

少し前の彼女を見て、

「女優の○○さんみたい!」

と言ったら、びっくりされて、

「良く似ているって言われるので、女優さんの写真を、これ私って言っても、みんな疑わないんだよ。」

と言って大笑いしたりした。

体調があまり良くない状態だったでしょうけれど、本当にしっかりしていました。

私は口には出しませんでしたが、夜間の排泄など、Ptを使った方がいいのではと思ったり、歯磨きなどもガーグルでもいいのに…。という見た感じの身体状況でした。それでも、彼女はいつも元気で、採血結果や治療歴からは信じがたいほど元気でした。

人間ってすご~い。

と思ったし、彼女と二人で、

「大量の化学薬品漬けでも人間って結構元気に生きられるんだってびっくりしたよね。」

なんて、感心したりもした。

早く帰りたいとあせる私に、さりげなく悟るように言葉をかけてくれたり、

今ある中での幸せを気付かせてくれたりしたのも彼女だった。

彼女の中では、いつも日々が幸せに満ちていたのかもしれない。

でも、その中で、ふと会話した中の一言に、彼女の生き方、強さを見たことも確かであり、不安もあったことも確かであった。

彼女の生き方、ポリシーを感じたのは、ドクターの話が、家族が先だということについてだった。

そして、おそらく自分の体調は自分が一番良く分かっているのだと思う。

治療への不安を一度だけ漏らしたことがあった。同室の人たちが、励ましたのでそのままになってしまったが、あの時に、もっとじっくり彼女の思いを聞いてあげることが出来たらと、実はずっと思っていた。大部屋では、いろんな会話もはずんで楽しかったが、そういうところで、なかなかチャンスがないのである。

長い入院生活の中で、一人で泣きたい日もあったと思う。でも、経済的なことを考えると、意識朦朧とした中でも、

「差額ベッドは使えないって思った。」

と言っていた彼女だった。決して払えないわけではないけれど、周りへの気遣いだったのだと思う。

少し気持ちが落ち着いて、ご家族と話をする機会が得られた。

全てが彼女らしい、最後まで毅然とした態度と生きかたで、自分に対して真摯に、残される家族への不安がないように、限りない愛情を永遠に与えるように逝ったことを知りました。

変な言葉ですが、感動です。

そして、彼女は、私にも本当に大切な生きることや、幸せの感じ方や、思いやりの表し方を教えてくれました。

彼女にたまたま出会え、そして、最後に偶然お会いできたことを思うと、不思議な力を感じます。

どうもありがとう。

天国で楽しく、思い切り過ごせるといいね。趣味もたくさんできるといいね。お店開いてるかな。

お母様からは、長生きしてねって言われたけれど、

私が天国に行ったら、また会いたいです。

??ちゃんに教えて貰ったことを大切にしながらこれからの人生を歩いていきたいと思います。






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最終更新日  2011年06月01日 12時41分18秒
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