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久しぶりに背筋が凍るような怒りと悲しみに満ちた本です。
そして、今回の福島の事故は、なぜこんな前例がありながら、阻止できなかったのだろうか。
余りにも身勝手で事の重要性を把握していなかった自分に自己嫌悪しました。
下請けの小さな会社の現場の第1線で働く人の命の重み。
残された奥様の言葉がずしりと来ます。
原子力というものにどうしても拘わらなければならない環境にある以上、また同じような事故は起こるのではないか。所詮、人間のすることだから…という不信感は消えない。
原子力に携わる人達が自分自身を守ることができないなら、主人たちが命を削りながら教えていった医療の分野で不幸な犠牲者を救ってあげられるように祈ってやみません。
というような趣旨の文があります。亡くなられて1年経った頃に当時お世話になった東大病院の前川教授にあてられた手紙です。
そして、この本は臨界事故で亡くなられた大内さんとその家族、医療者の奮闘をNHK取材班が記録したものです。
本の紹介をするときに、あまり中身には触れたくはないというのが私のポリシーでもありますが、
本当にいろいろなことが考えさせられる本でした。
前川教授を突き動かしたものは、大内さんの人柄だったのだと思います。そしてその後、家族の必死の思い、医療の世界の人たちの真剣な戦い、チーム医療、世界規模での協力連携。不可能への果敢な挑戦。
そんな事実が淡々と語られているだけなのですが、そこに関わった方たちの限りない愛や尊敬、思いやり、信頼を感ぜずにはいられませんでした。
奥様の予言と、医療者への希望は、虚を突かれる思いです。
やわらかな言葉に重い大きな見事なメッセージが詰まっています。
実は、我が家にはテレビがありません。
この時にテレビで見たかったかなあと思いました。
また、
私事のことです。
今回10年近くいた福祉の現場を去ることになりました。
それ以前も、介護保険の施行前であり、末期がん患者さんがほとんどでターミナルと言っても年齢的にはご高齢の方が多くを占めていましたので仕事内容としては、介護の世界で働いてきました。
でも、今回の丸々福祉の現場とは異なり、母体は医療の世界でしたので、医療の世界の居心地の良さをこの本を読みながら再確認をすることが出来ました。
ここ数年は、福祉の職場では、利用者と上司や、行政の規約の板挟みで本当に精神的に疲れました。
医療現場で、命を前にした時、私は全くその第1線に立つことはなくとも、皆さん本当に自分の身を削って、無料奉仕の状態で朝早くから夜遅くまで仕事をしていました。その姿に、こちらも皆さんが、少しでもスムーズに仕事が出来るように頑張ろう。などと思いました。
また、生意気にも、先生が、あまりに患者さんの気持ちを無視した言動に、思わず患者さんの気持ちを代弁して抗議した時もありました。(患者さんが私に愚痴ったりしたわけではなく、やり取りの中で私が許せなかった。)でも、医療の世界では、それでも関係は悪くなりません。その後は、逆にしっくり行きました。他でも、システム上、覚えて貰わないと困ることはこうして欲しいと気楽に頼むことも出来ました。
この本を読んで改めて思いました。
医療の世界の人たちの温かさを・・・・・。
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