加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

August 7, 2005
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カテゴリ: 音楽
 5日に日本を発ち、チューリヒ経由で、オーストリアの西端にある、ブレゲンツという町にやってきた。

 今年の湖上オペラの演目は、ヴェルディの「トロヴァトーレ」。大好きなヴェルディだし、ブレゲンツはこれからイタリアへいくのだが、チューリヒからイタリアへ向かうちょうど途中。見落とす手はありません。
 というわけで、肌寒く、雨もぱらつくなか、毛布にくるまっての鑑賞に臨んだ。

 いやあ面白かった。何がって、ロバート・カーセンの演出が。

 カーセンは、以前このブログにも書いた、フェニーチェ劇場の「椿姫」を演出したひと。メッセージ性にあふれながら音楽を殺さない演出は、いまや世界中からひっぱりだこだ。
 この「トロヴァトーレ」でも、やってくれましたね。

 「トロヴァトーレ」というオペラ、タイトルは「吟遊詩人」という意味。先日、フィオレンツァ・チェドリンスというイタリアのソプラノ歌手にインタビューをしたとき、「トロヴァトーレ」のテーマは「身分違いの恋」だという話がきいた。お話の中心にある吟遊詩人と宮廷女官の恋が、まったくの「身分違い」だというのである。
 なるほどねえ、と思っていたところに、カーセンが、どんぴしゃりの演出をやってくれたのだ。


 一方「吟遊詩人」マンリーコは、放浪者たちの集団に混じっている。彼らの世界は石油缶の要塞の下側に張り付くように作られ、ぼろぼろの缶が乱雑に積み重なっている、という具合。
 湖上ステージという点をうまく利用して、途中モーターボートが出てきたのも面白かった。

 作者のメッセージを的確に理解して、大胆に読み替えるカーセン。天才です!





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最終更新日  September 1, 2005 06:15:59 PM


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