加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

August 11, 2005
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カテゴリ: 音楽
 前にも書いたように、月曜日からイタリア中部のバーニョ・ディ・ロマーニャという温泉町で、イタリア語のお勉強をしている。小さな、アットホームな学校で、先生たちもフレンドリー。居心地はいい。

 で、今日も、気になっていたことを聞いてしまった。
 オペラのイタリア語、である。

 オペラの講座などをやっていて思うのだが、どうやら皆さん、イタリア人ならたとえばイタリア語オペラの言葉はわかる、と思っているらしい。
 でも、本当は違うんだろうな、と、私はずっと思っていた。
 で、個人レッスン担当の地元の先生に、それを確認してみたわけなのです。
 彼女は、別に特別なオペラファンではないのだが(椿姫くらいなら知っているというところだろうか)、十二分に答えてくれました。

 で、その結果。やっぱり、分からないのです。

 というのが、先生の答えでした。
 結局、オペラ(イタリア語ではオペラ・リリカ。「オペラ」という言葉は本当は「作品」という意味)は、「音楽が重要なんでしょ」「音楽が優先されているんでしょ」と、彼女は言うのである。
 そうだよね。やっぱりオペラは「音楽」。だからこそ、国境を越えて親しまれるんじゃないだろうか。
 そしてその「音楽」のなかに、作曲家によって作り出された人間の感情がこめられているんだよね。

 それから、オペラで使われている言葉は(これも予想したことだけれど)、古すぎて、今使ったらおかしい、変に気取っているととられてしまう、ということでした。
 そりゃそうだよね。大半が19世紀のものなんだから。森鴎外か樋口一葉か?というところかも。

 もうひとつ。イタリアにいて、現地のひとと接していると、オペラのなかに使われている言葉が、そこから連想されるのとまったく違う意味で使われているのに気づくことがある。
 たとえば、「椿姫」、第1幕終わりのヴィオレッタのアリアに先立つ、「不思議だわ・・・e strano」という有名なせりふ。
 これは彼女が、恋人のアルフレードに初めて会って、今までにないときめきを感じている場面なので、この「不思議だわ=strano」という言葉は、何かときめくようなロマンティックな感情をあらわしているように、これまでは思っていた。
 でも違うんですね。
 だって、イタリア人の話をきいていると、「あの人変わっているよね!=変人だよね」なんていうところで、「strano」を使っているんだもの。


ついでにもうひとつ。これはオペラとは関係ないが、イタリア人がよく使う「きれい bello,(男性形) bella(女性形)」という言葉。見ていると、どうやら深い意味もなく、親しみを感じる対象に対して使っているみたい。たとえば家族や親しい友人に電話するとき、「 ciao, bello(bella)」なんて、挨拶言葉にまぜて使っている。だから彼らに「きれい」なんて言われても、あまり本気に取らないほうがいい?

 うーん、ほんとに言葉は、現地に来て見なければわからない。2週間でも、来ないよりはるかにまし、なのである。





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最終更新日  September 2, 2005 10:41:23 AM


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