加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

September 4, 2005
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カテゴリ: 音楽
 ヴェルディのオペラ「運命の力」をみてきた。


 そう思っていたら、まさにどんぴしゃり、でありました。
 とくに日本人が歌うのは非常にきつい作品である。主役のテノールとソプラノがめちゃくちゃ大変。最近人気のワーグナーも、日本人にはかなりきついといわれるが、今日の公演を見た限り、「運命の力」のほうがずーと大変ではないだろうか。歌手と指揮者に、全体を引っ張っていけるような力、(馬力といってもいい)、統率力がなければ、このオペラの魅力を生かすのは難しい。その代わり指揮者と歌手が揃えば、すごく堪能できる作品だと思う。
 会場で会ったあるオペラ団体のトップの方は、メトでドミンゴが主演した「運命の力」を聴かれたそうだが、「すばらしかったですよ」とのことだった。

 公演を聴きながら、ある演出家が言っていたことを思い出していた。
 「日本人にはヴェルディは無理ですよ」
 と、若手の売れっ子である彼は言ったのである。
 「無理をしないで、主役級は外国から呼んでくればいい」

 賛成である。

 ふだんなかなか上演されないオペラを上演することが「意欲的」であることは言うまでもない。「日本人にはむり」なオペラを日本人だけで上演することも、もちろん「意欲的」ではあるだろう。
 でも、「無理」と「意欲」とをてんびんにかけたら、この場合は「無理」がまさると思うのだ。「意欲」だけで上演できる時代は、少なくとも日本では終わったのではないだろうか。
 適切な歌手がいればまだいい。でもいない(少なくともこの主催者は確保できなかった)のだから、やはり出演可能な歌手に可能な作品を選ぶべきではないか。無理な作品を歌えば、歌手にも過剰な負担がかかる。「運命の力」の主役などというのは、かなりの外国人歌手にだって難しいのだから。
 まして今日のテノールはレッジェーロタイプの軽い声。モーツァルト向きである。

 「運命の力」の音楽が堪能できず、すっかり欲求不満になってしまったので、実は今、ムーティ指揮の「運命の力」を聴いている。やっぱり迫力!
 歌手でいえば、それこそテバルディとデル・モナコですね。あれくらいパワフルでないと。魚と野菜を食べてるようじゃだめかも。





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最終更新日  September 4, 2005 11:24:20 PM


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