加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

August 2, 2019
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11月に開催される、マリインスキー歌劇場「チャイコフスキー・フェスティバル」を率いる指揮者で、歌劇場音楽監督のワレリー・ゲルギエフの記者会見に行ってきました。

 オペラは「スペードの女王」と「マゼッパ」(後者は演奏会形式)。いずれもプーシキンの原作。前者はまあ有名ですが、後者はめったに演奏されません。とはいえゲルギーには思い入れの深い作品のようで、なんと最初に指揮したチャイコフキーのオペラだそう。「リッチで劇的なオーケストレーション」と、ワーグナー並みの、ドラマティックで劇的な声が必要とされ、オケと歌手との対決が聴きものの、「知られざる名作」だそうです。
 プレスリリースにかんたんなあらすじがありましたが、うーむ、なかなかにドロドロな凄まじい作品。歴史に題材をとり、ほとんどが実在の人物だそうですが、さすがロシア史、親族だろうが殺し合うのがすさまじい。俄然興味がわきました。
 「スペードの女王」は、日本ではなかなかやりませんが、名作中の名作。音楽が大変充実しています。こちらはしっかり舞台上演で、ヒストリカルな美しい演出のよう。「身近な題材が大きな物語に」なったオペラで、「演出上、強い特別な仕掛けがなくとも楽しめる」(ゲルギエフ)なるほど。こちらは正統的に楽しめそうです。主役が名テノール、ガルージンというのも嬉しい(ダブルキャスト)。一時彼の「オテロ」にはまって何回か追いかけたことがあるんです。日本でも歌いましたが(ソフィア歌劇場来日公演)、2003年に現地で聴いたフィレンツェ歌劇場の「オテロ」は大大名演だったなあ。
 一度だけマリインスキーに行ったことがあるのですが、その時プロコフィエフの「賭博者」がかかっていて、そこでもガルージンが歌っていたのでした。あれもすごかった。終演後楽屋に連れて行っていただいたのに、どきまぎしてほとんどなにも喋れなかった、うぶな?私でありました。
 オーケストラコンサートでは、「なかなか上演されないマイナーな作品」も含め、「チャイコフスキーの30年間の創作がたどれる」プログラムが魅力。ピアノ協奏曲第3番なんて、恥ずかしながら生できいたことがありません。貴重な機会になりそうです。

 印象に残った質疑。「こんな短い期間にこれだけの密度の濃い演奏会を行える、そのエネルギーの源は」ときかれて、「演奏会の準備はその前に始めるわけではない。14、5歳のとき、その作品に触れた時から私の血肉になっている」的な答えが返ってきて、とても納得。だからリハーサルなしでも演奏できてしまうんですね。

 もうひとつ、開幕したばかりのバイロイト音楽祭にデビューした感想をきかれたゲルギー(演目は「タンホイザー」)、「音響がほんとうにスペシャル。祝祭劇場はワーグナーの作品」だと言っていたのも、印象に残りました。

 「チャイコフスキー・フェスティバル」詳細はこちらです。

 チャイコフスキー・フェスティバル
 https://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=3876





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最終更新日  August 5, 2019 11:33:25 AM


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