ノラネコcasy

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casycasy

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2003.11.02
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カテゴリ: カテゴリ未分類


極彩色の、音の雨を降らせていた。


かつては同じコンクールを受けて、一緒にレッスンを受けていた。
今や世界に踏み出そうとしている、関本昌平くん。
そのリサイタルの手伝いにきた私。
かたや音大で苦悩の日々を送り、かたや個人でリサイタルを行う、準ピアニスト。

ホールを包むような拍手を浴びる中、彼はお辞儀をして、スタインウェイのイスに座る。そして、先ほどのざわめきが嘘のように、客を嵐に引きずり込む。

彼の音楽は若く、猛々しく、派手で、その中に細やかなキメがある。
黄金の絹糸で編んだ布のような音楽だ。


私は前にも、彼のリサイタルを手伝ったことがあった。
演奏が終わった後、
客はずらりと彼の元に並んで、サインを貰ったり、写真を撮ったり。
私は遠くからそれを見ていた。
皆と同じようにするのが、なんとなくしたくなかった。

そういえば、何年も一緒に同じレッスンに行っていながら、一度も喋ったことがなかったよね。

そのお客さん達が帰った後、
手伝った私たちとの記念撮影があって、一緒に並んだとき、
前より高くなった彼の肩が、私にふわりと、かすかに触れた。


ちぎったチケットを数えていると、今夜の演奏が始まった。


仕事を終えて、私は曲の合間に、静かに2階の席へ演奏を聴きに行った。


遠くから見えるのは、飴色のスポットライトの中で奏でている彼の姿。

目を合わせることもないけれど。


こんなんも、良いよね。






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Last updated  2003.11.03 19:57:51 コメント(2) | コメントを書く


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