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CATのアメリカ東海岸留学
GPA(成績)のカラクリ
建前
では
A: 大変良くできました(90点~100点)
B: 良くできました (80点~90点)
C: 平均 (70点~80点)
D: がんばりましょう (60点~70点)
F: 落第 ( ~60点)
ということになっていて、A、B、C、D、Fの成績をそれぞれ
4、3、2、1、0に数値化した上で平均値、いわゆるGPA(Grade
Point Average)を算出する。でも実情はかなり違うし、学校によって
基準もバラバラなんだけど、話をわかりやすくするために前半は
あくまでもこの建前を前提にして話を進めます。
さて、学校によってはこれをさらに細分化している。たとえば
A+ :97点~100点
A :93点~97点
A- :90点~93点
といったようなパターンで、A+ は4.33、Aは4.00、A- は
3.67として数値化したりする。
鋭い人はもう気づいたかもしれないけれど、このシステムだとA+ の
ある学校に通っている人は4.0以上のGPAをとることも可能だし、
万が一、B(3.0)をとってしまってもA+(4.33)を何度か
とれば、GPA4.0に復帰することも可能なのに対し、Aまでしか
採用していない学校の場合、最高でもGPAは4.0どまりで、
さらにA(4.0)以外を一度でもとってしまうと、GPA4.0に
復帰するのはほぼ不可能となる。
さらに不利なのはA- を採用してるのにA+ を採用していない学校。
なぜかと言えば、A+/- を採用していない学校は90点でもA(4.0)
なのに対し、A- のみ採用している学校の場合A(4.0)をとるには
93点以上が要求されるから。
自分が在籍していた時、
ペンシルバニア州立大学
は、まさにこのA-
のみ採用してA+ を採用していないシステムで、他校卒業生と比べて
GPA的に不利(A+ を採用すべき)という議論が何度も出ていた。
また、
ひよこまめさん
が在籍していた学校では、A+ も採用している
ものの、数値化する際には4.0とされ、GPA的にはA- のみ採用
しているのと同じ状態、
KSD_farfallaさん
の学校ではBとCにのみ
"+" が設定され( "-" はなし)、Aは +/- なしという変則的(?)な
ルールとのこと(
ブログのオリジナルエントリー
のレス参照)。
さらに自分が通っていたコミカレやしょぼい四大では +/- は一切設定
されておらず、これだけ見ても、成績のシステムは本当に学校によって
本当にまちまちだ。
さて、成績の基準の建前はあくまでCが平均(Aは特別な場合のみ)と
いうことになっていると言ったけど(この建前が本当なら平均GPAは
2.0なはず)
実際は、GPAはひどいインフレを起こしており
、たと
えば
2001年~2002年の全米推定平均GPAはなんと3.09
。
つまり実質的にはBあたりが平均ということになっているらしい。
これは卒業生が少しでも有利になるように、といったような親心から
ジリジリ上がっていった結果とも言われているんだけど、自分が学生の
頃は本当に平均GPAが2.0だったという教授もいたし、その伝統を
かたくなに守っている教授もいた(当然、学生からは嫌われていた)。
ただ体面上、全米平均GPAからさらに抜きん出て高い平均GPAを
容認するわけにもいかないといったプレッシャーもあるので、それなりの
公平性は保たれているのかも。
もちろん我が道を行く大学もある。たとえばハーバード大学では半数の
生徒にA(もしくはA-)を出している(*)。ちなみに
私立大学は全般的に
成績のつけかたが公立(州立)大学よりも甘く(私立平均3.26vs
州立平均2.97)
、このあたりはある程度金とコネで何とかなる私立
大学よりも公立(州立)大学の方が公平性が保たれているという議論にも
つながってくるんだけど今回のネタとは関係ないのでとりあえず脇に
おいておく。
(*) 10/23/2001 Boston Glove「Harvard asks faculty to justify grading methods」
話を元に戻すと、そういった成績の基準がバラバラという現状から、
選考先(大学院など)が出身校の成績分布(例えばAは全体の何%で
Bは何%、もしくは全学生中この学生は何番目くらいの成績なのかなど)
の資料を要求してくることもある。出身大学がアメリカの大学、それも
それなりに知られている大学なら選考側も要領をえてるだろうけど、
成績の基準が根本的に違う日本からの出願の際には、要求されなくても
資料を添付すべきというアドバイスを見かけることもあるけど、それも
一理ある。
さて、実はもう一つ建前通りにいっていない部分がある。
それは点数による成績配分。(90点~100点はA、など。)
たとえば目安としてAはそのクラスをとった学生の20%、Bは40%、
Cは30%、Dは10%に出すことにしたとして、学期の終わりに
最終的に建前通りにちょうどうまいこと90点~100点の学生が
20%、80点~90点の学生が40%・・・になるなんてことはまず
ありえない。というわけで、成績配分を調整するために学期の最期などに
点数に「ゲタ」をはかせることがある。いわゆる
カーブ
というやつ。
たとえば実際には85点以上の学生が全体の20%だった場合、点数に
5点上乗せする(結果的に85点以上ならAになる)など。
このカーブ、自分の経験からすると成績を「救済」する(点数を上乗せ
する)方向に調整されることがほとんどだけど、まれに厳しい教授だと、
逆に90点ではなく93点以下はBなどとしたりすることもある。
さらに当初から「Aは(数字的な点数は関係なく)上から20%」などと
言い渡されることもある。
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オリジナルエントリー
アメリカの大学の成績システム(その1)
(2007年6月28日)
アメリカの大学の成績システム(その2)
(2007年6月29日)
(2007年9月1日更新)
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