カルメン・ビンラディン「遅すぎないうちに」は、週刊誌の書評でチェックしていた本だ。例のオサマ・ビンラディンの何十人もいる兄弟のうちの1人と結婚した女性が書いた本(の訳書)だが、この著者は自由を求めて、サウジアラビアを脱出し、現在離婚訴訟中である。そんな中で9/11同時多発テロが起こり、依然として夫の姓を名乗っている彼女と娘たちに、ビンラディン一族とイスラム文化の影がつきまとう。 オイルマネーでお金持ちになったサウジアラビアの“いびつな社会構造”や腐敗と女性の地位の低さについては、以前、岩波新書の「メッカ」や、かのマイケルムーア氏の著書でも指摘されているのを読んでいたのだが、やはり想像を絶する社会だ。文化や伝統に根ざしたものであるだけに、内部からの改革を望むことはできない。 ただし、ずっと“特権階級”の贅沢暮らしを享受していた著者なのに、その辺の矛盾というか責任についてほとんど口をつぐんでいるのは....ちょっといかがなものか....。 あと、このタイトルの「遅すぎないうちに...」ってなんか日本語としてなんかすわりが悪いような気がして落ちつかない。(どうしてなのか説明できないのだけど)「手遅れにならないうちに.....」ならわかるけど、それではタイトルとして合わないし...。 ちなみに原題は「Inside The Opaque Kingdom/My Life in Saudi Arabia」。いっそこのままの訳にした方がよかったのでは?