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2008.03.22
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テーマ: 大学入試(210)
カテゴリ: 入試問題検討
東大の'08年前期入試の物理の問題について書いておきます。

数学と比較すると、うなって考え込むような問題はありません。昨年の問題と比較しても、基本的で軽量級の問題ですが、今年の問題は分量が多いので、かなりスピードを上げて解かないと、もう一科目に取り組む時間がなくなります。
昨年が少々無理だった、という反省があるのかも知れません。

第1問 は、力学の基本的な問題です。これとよく似た問題が'80年代にも出ていたように思います。教科書をしっかり理解しておけば充分に正解可能でしょう。今年、地方の進学校の合格者数が多かったのは、こうした問題のためだろうと思います。授業中に、塾なんて行かなくても基本的なことをやっておけば東京の受験生に負けないんだ、と言っている地方高校の先生の顔が目に浮かぶようです。
ですが、来年はまた昨年の第1問のような問題に戻るかも知れないので油断なきように。

第2問 は、ネオンランプの電流-電圧特性などが出てくるので、一見して難問かと思いますが、やっていくと標準的なコンデンサーの問題だとわかります。非直線抵抗の技巧のようなものも必要ありません。この問題も処理能力が問われている問題で、物理的な検討をするような部分はありません。ただ、やることは多いので、時間的には苦しいかも知れません。

第3問 は、ちょっと目新しい気体の問題です。大気や海中の状況を研究している研究者が日常的にやっている計算を出題したものだと思われますが、やはり、物理的に思索するような部分はなく、Iの(5)の計算方法が問題になる程度です。c(0)-c(L)という形から、dc/dzをLから0まで積分する定積分を思い浮かべれば良いでしょう。容器内の気体のモル数がnという条件をうまく使うところがポイントでしょうか。
恐らく、この問題は、元々単振動するところまでだったのを、時間的に厳しすぎるというところで、切り詰めたのだろうと思います。

全体を通して、数学のよく練られた問題と比べると、ちょっと物足りない、もっと分量を減らして、物理的な検討を必要とする問題を工夫して欲しい、と、私は思います。


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最終更新日  2008.03.22 09:28:09
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