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2012.07.11
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カテゴリ: 映画・舞台観劇
昨日はストレッチの後、先週と同様、
阪急宝塚線 売布駅前のシネ・ピピアで映画を見ました。

「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」

前に友だちと「興味あるね」と話していたものの
見ることができなかったのです。
先週 「晴れ舞台はブロードウェイで!」 を見に来た時
偶然目に付いたチラシ。
「あ!ここで見られるやん!」


さて、三島由紀夫。
亡くなったのが昭和45年ということで
一応記憶にはあります。
自衛隊のバルコニーで軍服(正確には軍服ではないけど)に鉢巻きをし
手を振り上げて演説している姿をニュースで見たような記憶もうっすらと。
そんなふうに、生きている姿を見たことがあるにもかかわらず
私にとっては文学史に名前を残している
遠い昔の作家のような気がしていました。
そして彼の作品も「金閣寺」「潮騒」「仮面の告白」くらいしか
読んだことがない…。
(文学部だったのに恥ずかしい!)


マンツーマンでストレッチレッスンを受けたあと
お昼ご飯を食べた私。
何度も大海原にこぎ出しておりました。
スミマセン!

「だって」「でも」は忌むべきことばですが


早稲田大学の学生たちの会話、
三島由紀夫VS東大生の討論会など
言葉はわかるけれど
芯からの理解が全然できないんです。
「大学生がこんなに日本の行く末を考えたり
政治について熱く語った時代があったなんて信じられないワ~」と
半分寝ながら思うばかり。
私が当時大学生だったらどうなっていたやら。

結末はすでに知っているので
どうしてそこに至ったか、という流れを
この映画で知ることができました。

映画全体への率直な感想としては
「予算がなかったんだな」。
映像のそこここにそれを感じて、若干それが寂しかったです。
豪邸や当時は珍しかったであろうサウナなどは
描かれていたものの
坂東玉三郎や美輪明宏を可愛がるなど
三島由紀夫の、華麗であったろう部分がなくって…。
自衛隊への入隊訓練の様子も
予算の関係上か、ただ走っているだけみたいな場面のみ。
ううう、予算がないって悲しいことね。

三島由紀夫を演じたのは
今年の大河ドラマ「平清盛」で崇徳上皇を演じている井浦新。
妻の役を寺島忍。
それ以外は、ほとんど知らない役者さんばかり。
(あくまでも私が知らないだけ)
なんとも地味でありました。
もちろん派手なキャストである必要は全くないんだけど。
私が一番「安っ」と思ってしまったのは
三島由紀夫と森田必勝の割腹自決シーン。
腹を切る→顔のアップ→介錯の刃が落ちる→桜の花びらが散る
二人ともこのパターンでして
日本人なら桜の花が散る姿=死を連想するからなんでしょうが
あまりにも定型過ぎて思わず心の中で
「安っ!」と叫んでしまいました。
それはお金の問題じゃなくて演出の問題。
(同じことは大河ドラマ「平清盛」でもありました。
山本耕史演じる藤原頼長が死んだあと、
息子を見捨てた父のもとに
頼長の可愛がっていたオウムが瀕死の状態で現れ
「チチウエ、チチウエ」と啼いた時。
その時は思わず声が出ましたわ
「安っ!!!その鳴き声はイランでしょ」と。
鳴かさないでおいたらもっと悲しみがあふれる場面になったと思うのに。
ま、これは私だったら、の勝手な演出ですけども)

そして何より気になったのがセリフ。
昭和40年代の日本人がこんな話し方をしただろうかという意味で。

一つ目は三島由紀夫が自衛隊に体験入隊した際
三島さんと呼ばずに本名の平岡で呼んでほしいという場面。
自衛隊員が「ではこれから●●と呼ばさせていただきます」
本来「呼ばせていただく」ですむ言葉を
「呼ばさせていただく」というのは最近耳につく言いまわしで
昭和40年代にはなかった気がするんだけれど。

もう一つは「正直○○」
最近「正直 悔しいです」というふうに省略形が当たり前になっていますが
それも最近のことではないかしら?
私が子供のころは「正直に言って悔しいです」と言っていた気がします。
このセリフは三島由紀夫がノーベル賞のことを聞かれたとき
「正直 ノーベル賞には興味がありません」と答えたときのもの。
あれ?と感じました。

三つ目は学生が漁師の舟を盗んで北方領土に行こうと企て
それを見とがめられた際に出てきた言葉。
いかにソ連が非道かをとうとうと説いた後
「なのでこの船をください(貸してくださいだったかも)」
この「なので」です。
最近は、会話中、何かを言いきり、
そのあとで文頭に「なので」を使うのが普通です。
でも昭和40年代だったら
「北方領土に渡りたいので舟を課してください」のように
なにか言葉のあとについていた気がするんですけど…

こんなどうでもいいような細かいところが気になる
ワタクシなのでございました。
揚げ足取りで、すみません。

「寝てたくせに偉そうに言うな~!!」と言われたら
返す言葉もございません。


それにしても…
以前、何かの論評で
「川端康成と三島由紀夫、どちらも自殺してしまったが
ノーベル文学賞を三島由紀夫がとっていたら
二人とも生きて良い作品を描き続けたかもしれない」
という文章を読んだことがありました。
川端康成はノーベル文学賞を取ってしまったことがプレッシャーになり
作品を書けなくなって死を選んだけれど
三島由紀夫であれば、逆にノーベル賞をもらったことで
力を発揮したであろうに、という内容。
この映画でもそれを匂わせるような部分があり
改めて、人間の運命(行動)というのは
様々な要因が絡み合った結果なのだなぁと感じました。

もうひとつ三島由紀夫関連で
エピソードがあるのですが、長くなったので明日にでも。

見逃したような映画をよく上演してくれるシネ・ピピア、
スケジュールはこちらでチェックしてください。
↓
シネ・ピピアHP

ちなみに火曜日はレディースデーで女性は1000円で見られますよ。

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最終更新日  2012.07.11 10:26:30
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Re:「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(07/11)  
megosuke さん
茶々吉様,さすが言葉のプロフェッショナル!
とても勉強になりました。
ここ最近,「なので」から始まる会話がやたらと耳に付き,気になっていたところだったのです。
「なので」は接続詞ではありませんから,文頭にくるはずないですよね。
そんな自分も日常的に誤った日本語を使っているであろうと思うのですが,美しい日本語を守るべく,努力していきたいと思います。

先日ご紹介されていたた茶々吉様ご執筆の本ですが,自分の勤務する施設内の図書館に配備いたしました。少し年齢層が合わないかもしれませんが,多くの若者が読んでくれることを期待しています。 (2012.07.16 09:09:12)

Re[1]:「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(07/11)  
megosukeさん

言葉は時代とともに変わって行くものだとはわかっていますが
ついつい 揚げ足とりみたいなことをしてしまいます。

このことを書いていて思い出したのは
高校2年生の時の古典の授業。
年配の女性教師が何かの話題から
「最近の(当時の)言葉で気になる言い回しは
『落ち込む』」だとおっしゃいました。
先生は
「精神的に暗くなるという意味でこの言葉を使うのは
雰囲気はよく出ていると思うけれど
どうしても受け入れられない」
というふうなことを おっしゃっていました。
確かに、自分の意識の中でも「落ち込む」という言葉が
使われ出したのは最近だなぁと、その時思ったものです。
(多分それは昭和50年台後半くらいのこと。
 今更ながら年齢バレバレです)

いまや「落ち込む」という言葉の意味する内容を
以前は何と言っていたのか思い出せないくらい
定着しています。

「なので」も「呼ばさせていただきます」も
いずれは違和感を感じなくなることもあるのかもしれません。
でも私自身はmegosukeさんと同じように
自分が美しいと感じる日本語を
使うようにしていきたいです。

そういう意味で、今耳にする言葉の中で
絶対に使わないゾと決めているのは
「半端ない」
です。
古典の先生ではないけれど
これだけは受け入れがたいです。

>
>先日ご紹介されていたた茶々吉様ご執筆の本ですが,自分の勤務する施設内の図書館に配備いたしました。少し年齢層が合わないかもしれませんが,多くの若者が読んでくれることを期待しています。
-----
うぉーーーー!
思わず咆哮してガッツポーズしてしまいました。

ありがとうございます!
嬉しいです。

でもあの本は絶対に有意義な本だと
自信を持ってPRできます。
ひとりでも多くの方に役立てていただけますように。 (2012.07.16 11:24:01)

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