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2012.07.12
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カテゴリ: 日々雑感
昨日に引き続き三島由紀夫について。
ちょっと思い出したことを二つ。

もう15年くらい前だと思うのですが
たまには純文学を読み返そうと思い立ち
三島由紀夫の作品を手にとりました。
読んですぐに思ったのは
なんという端正な日本語なのだろう、ということ。

静かに整った文章は
ぱっとページを開いて読むでもなく見ているだけで


すごいものだなぁと感動しつつページをめくった私。
途中でとんでもないことを思い知らされました。
読み進めることができないのですよ。
いえ、読めるんですけれど、その速度があまりにも遅くて
1ページ読むのにもへとへと。

なぜ?!
学生時代はこういう文章を
喜んで読めていたのに。

原因は多分「目が荒れた」こと。
職人さんなどが、いったん雑な仕事をしだすと
次にきちんと仕事をしようとしてもうまくいかなくなることを

さささっと読め、
噛みしめるまでもなく面白い小説を読みなれてしまったら
「目が荒れて」次に噛みしめ噛みしめ読むような小説が
読めなくなってしまうんだなと
ショックでした。

いまだにできずにいます。
でも死ぬまでに、もう一度読んでおかねば。

あ、もちろんダイレクトに面白い本が悪い、と
言っているのではありませんよ。


もうひとつ三島由紀夫で思い出したエピソードを。
多分20年くらい前のこと。
私はある女性にお会いしました。
A子さんと表記しますね。

A子さんは知人と結婚したお相手で
ある夏の夜、数人で飲みながら、夜遅くまで話し込んでいました。
オリンピックのカヤック競技を見ていた記憶があるなぁ~
うん、多分バルセロナオリンピックだから
1992年、まさに20年前ですね。
いろんな話をしているうちに何故か文学談義になりまして…
さまざまな小説家の名前が挙がりました。
「太宰が」「谷崎が」「川端が」そしてもちろん「三島が」
しばらくしてその場のみんながあることに気づいたんです。
A子さんは絶対に三島由紀夫を呼び捨てにせず
「三島さんが」と言うと。

私はついに聞きましたよ。
「あの、もしかして三島由紀夫の関係者の方ですか?」と。
するとA子さん、
「父が●●(有名な文学雑誌)の編集者をしておりまして
 三島さんを担当していたんです」
おおおおお~!!!
「私が生まれたときに、三島さんはお祝いにと
 藤(とう)の乳母車をプレゼントしてくれたそうです。
 私は覚えていないけれど写真が残っています」
えええええええ~!!!!
もう騒然。
そこで思わず
「そ、その乳母車、今もあるんですか?!」と聞いてしまった私。
脳内には「お宝、お宝」という言葉が反響していたことを
恥ずかしながらここに告白します。
多分、同席していた他の人も似たことを思っていたことでしょう。
するとA子さん
「さぁ、どうでしょう。古いものですからねぇ。処分してしまったかも」
ええええええ!!!
残念すぎる。

A子さんの年齢から推測して
三島由紀夫が「黒蜥蜴」を舞台化していたころの
エピソードではないかと思われます。
三島由紀夫が文学史の中だけではなく
実際に生きていた人なんだなぁ(それもごく最近まで)と思ったことを
火曜日に見た映画「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」が
思い出させてくれました。

それにしても惜しい。
三島由紀夫からの乳母車…
(↑我ながら下種すぎるわ!!)


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最終更新日  2012.07.12 10:00:16
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