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2011.11.21
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・11、21、月
そもそも、広島原爆やチェルノブイリ事故後の被曝者発病状況が一般に公開されていないから、皆暢気なのだ。
難しいのは、被曝で癌を発病しても、10年、15年後で、それが被曝が原因か、別の原因かが分らないところだ。
武田氏などは、チェルノブイリの発病情報をある程度知っているようだが、これがもっとオープンに公開されたら、一般庶民の被曝への意識は確実に変わることだろう。

ーーーーーー
なぜ、医師の発言が禁止されるか(1)・・・安楽死と被曝
相変わらず「被曝しても100人に0.5人がガンになるだけ。被曝は大したことは
無い」と講演する医師が後を絶たない。日本社会はまだ未成熟なところが多いが、本
当は「そのような医師は、医師会が除名処分をして医師の資格を剥奪しなければなら

能性が高い。
・・・・・・・・・
まず簡単な法律論から考えてみたい。 一般大衆の被曝に関する法律や規則は数多い
が、すべて「1年1ミリが限度」となっていて、一般公衆をそれ以上の被曝の危険に
さらすと、「晒した人」が罰則を受ける。つまり放射線を出す原因を作った人が罰則
を受けるのであって、(当然だが)被曝した人が罰を受けるのではない。
日本のすべての法律が「1年1ミリ」だが、そのうち、もっとも最近になって改正さ
れたのが「電離放射線障害防止規則」で、今年{2011年1月}に改正されている
。だから、「古い法律だから」という言い訳も成立しない。
今回の福島原発事故の場合、罰せられるのは東電だが、「逃げれば被曝しないのに逃
げなかったので、1年1ミリ以上の被曝(実効線量だから外部被曝と内部被曝を合計

のに「逃げない」ということは考えられないからだ。
ところで、医師などの専門家が「逃げなくても良い」と言った場合、それは法律違反
なのだろうか? 私は法律違反かどうかはあまり厳密に議論したくないが、日本国が
「その場にいたら病気になる可能性がある」としているところに、医師などの専門家
が「そこから立ち去らなくても良い」と積極的に発言したら、倫理的には少なくとも

・・・・・・・・・
第二に、「医師」という専門職が「自分の見解を独自に」述べることができるかとい
う問題だ。これはこのブログで再三、解説したので重複を避けるけれど、「医」とい
う領域について社会が「医師」を認定しているのは、専門家として「医師会、あるい
は国会など」で公的に承認された診断、治療しか行えない、ということである。
わかりやすく言うと、医学者は安楽死を研究しても良いが、医師は自分の判断で安楽
死の診断、治療(安楽死を治療というのも変だが、医師は治療の一環として安楽死を
行う)をしてはいけない。それをするにはあらかじめ医学会か国会などの承認が必要
となる。
実施者が自ら実施することの適否を考えてはいけないのは、「裁判官が法律を作って
裁く」とか「牧師が聖書を書き直して教会で使う」などがそれにあたり、専門家には
許されてはいない。
・・・・・・・・・
この2つの当たり前のことがあるのに、多くの医師や専門家が「1年1ミリより多く
の被曝はかまわない」と言っていることは理解に苦しむ。もう少し職業倫理をしっか
りしてもらいたい。
「その場にいて被曝を増やす」とか「汚染されている食材を給食に出すのを認める」
というのは、「安楽死=能動的な医療過誤」であることと同じように、「被曝許容=
受動的な医療過誤」であることは間違いない。
医師の治療は自ら能動的に行う場合と、患者や一般人が健康を害することが明らかで
あったり、法律で定められていることに違反して直接、国民に呼びかけることはでき
ない。医師も理性と倫理観を持って貰いたい。
・・・・・・・・・
ところで、このような場合でも、「国民の被曝が終わったら」議論は大切である。つ
まり1年1ミリという規制は時代とともに変わるので、大いに議論が必要である。し
かし、第一に専門家同士の議論が先になければならず、被曝中に国民に呼びかけては
いけない。
時速80キロに制限されている高速道路を走っている最中に、時速160キロに変え
てはいけないということだ。医学者や医師は判断能力があるのだから、ここで書いた
内容を理解していただき、国民の健康を守る確たるルールを作ってもらいたいと思う
。
(平成23年11月21日)
武田邦彦





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最終更新日  2011.11.21 23:43:34
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