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2012.10.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
・10、30、火
「平穏死」という話を聞いた。
尼崎市のある医師が、病院で死を迎えることへの疑問を語った。
「年寄りが転ぶ、骨を折って救急車で運ばれる。
一ヶ月もベッドで寝ていると痴呆が始まる。
そしていずれ嚥下の問題が生じて来る。
すると医師は胃瘻を勧める。
それはしたくないと家族が拒否すると、あなたは家族を見殺しにする気ですかと言われる。
家族はその一言で胃瘻に踏み切るしかなくなる」という筋書きがほとんどであると。

この尼崎の医師はそれでも勇気を振絞って、点滴だけで三ヶ月入院していた老人を家に帰した。
その後往診に行くと、彼は水をごくごく飲み、たこ焼きをぱくついていたという。
足などは三ヶ月使わないとなかなか元通りにはならならないが、嚥下は驚くほど早くその通常の働きを快復するらしい。
だが喉頭蓋の不具合のため肺に食物が入り、肺炎を起こし高熱が出る。
それを薬で下げる。
すると彼は次の日には近所を散歩していた。
そしてどんどん好きなものを食べ、また熱が出て、それを薬で下げるという日々が続いた。
まもなく彼は食卓でぽっくりと死んだが、口の中には一杯のご飯が入っていたとやら。
その死に顔は幸せそうに見えたという。
胃瘻処置をするとしゃべれなくなり、食べられなくなる。
本人はからからに乾いた喉で、食べたい食べたいという本能と戦いながらベッドの上で日々を過ごし、半年ほど長く生きて死ぬ。

しかしそこを往診とケアで賄うことができれば、人間の最期として喜ばしいものになるのではないかという議論であった。
友人が数年前に死んだ時も病院とは一切関わらず(医師と喧嘩したため)、自らホスピスに通い、ある日医師と世間話で笑いながら「今日は本当に調子がいい、帰りにはビールでも飲んで帰ろかな」と言って、ふとげっぷをしてそのまま永眠した。
確かに発病してから早い死ではあったが、なんだか正解であるように感じられる。





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最終更新日  2012.11.18 17:34:23
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