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・2、18、火
今親鸞聖人の伝記を読んでいるが、現在36歳、流罪として越後に流されて、そこで布教活動に殉じている。
少し遡り、親鸞が松若丸の幼名であったころ、1180年前後のころの話である。
1179年を皮切りに数年を置いて三度も大地震(阪神淡路大震災級)があり、家は崩壊し、町全体が火に包まれ、そのため飢饉が起こり人々は餓死して行った。
京都という町は死体に溢れ、死臭と疫病が町を覆い、取り締まる者もないため盗賊が毎晩のように屋敷を襲う日々。
天皇に力が全くなく、僧兵と武士が内乱を繰り返し、その都度市民は逃げ惑い、町は荒れ果てていた。
政治というものは存在せず、人々は飢えと疫病のために次々死に絶え、鴨川は夥しい死体で水が流れなくなっていたという。
都が京都に移ったころ、西暦800年前後にすでに京都は疫病が蔓延し、無政治な状態であり、その中疫病を鎮めるために祇園祭が始まったということになる。
何故に京都に疫病が蔓延するかという理由は、まず都ということで仕事を求めて多くの人々が移り住んで来る。

排泄物はそのまま放置され、不衛生極まりない。
人々は下水施設というものは考え付きもしないのだ。
もう一つの理由は、元々鴨川は今よりもずっと西を流れていたという。
京都に都が移り、貴族の都合で人間の手で川の流れを東に変えたという。
しかし当時の工事技術でそんなことがうまく行く訳もなく、川は度々氾濫し、鴨川よりも西側に水が溢れ、水はけの悪い土地柄もあって、年中じゅくじゅくと湿っていた
。
そこに先ほどの排泄物である。
疫病は当然のこと蔓延することになったらしい。
チフス、赤痢、ペストのような多数の疫病が同時に人々を襲っていたと想像されている。
何百年の間、京都は恐ろしく不運な町であった。
都を築く時に、中国の唐を真似して風水にもとずいて区画整理した。

聖徳太子が建立した六角堂は、風水通り道を通すために15メートル南に移転させた
。
雅な京の都と憧れられたのは、ずっと後のことなのだ。
自分の生まれ育った故郷が、1000年前にはそのように死体と乞食に溢れた町であったことを最近まで知らなかった。
芥川龍之介の「中盗」で初めて知ったことであった。

平安時代をもっと遡る時代に建てられた寺院などは、そんな京都の不運と栄華を見てきているのだ。
親鸞が叡山から下り、100日こもった六角堂もその一つ。
先日京都に行ったついでに訪れてみた。
京都に生まれ育ったにも関わらず、初めての訪問であった。
この寺は聖徳太子が建立したので、平安時代よりまだ数百年前のものだ。
そう思うと恐ろしい町である。
夥しい人々の営みと、生と死を見てきたのだ。
六角堂の狭い敷地には今も多くの参拝者が訪れ、寺の右には池坊、左にはビルが建ち、若者たちや観光客の行き交う中、慎み深くひっそりと建っていた。






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最終更新日  2014.02.20 18:26:18
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