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フェンネルカフェ

フェンネルカフェ

2005/07/11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
録画したドラマを見て思い出した事があります。


私は東京に住んでいた頃、とあるカラオケ店でバイトをしていました。
お昼から夕方までのバイトだったので、近所のおばさんや学生さんがしょっちゅう来ていました。

その、しょっちゅう来る学生さんの中にM君という子がいました。彼はとても美形さんで将来はバンドのボーカルをしたいと言っていました。性格も優しくて、真面目だったので、私は、可愛くてついついジュースをサービスしたりしてました♪(笑)

ところが、ある日、お店に来た時、彼の様子がおかしい事に気付きました。妙によそよそしい。どうしたのかなと思ったら、いつも一緒に来るA君が「実はM君、記憶がなくなってしまって。。。俺、なんとか助けたくて、ここに来たら少しは思い出すかもしれないと思って。。。」と言い出しました。

驚きました。そして一通り、説明してもらいました。

彼は、家の階段から転落して意識を失い、病院に運ばれ入院。その後、しばらくして意識は取り戻したものの、これまでの自分も、それから友人も思い出せない。そして退院したのはいいけれど、お医者さんには「記憶が戻るのは難しいかもしれない」と言われたそうなのです。

かろうじて、何となく分かるのが家族。けれど、はっきりとは分からない。彼は本当に不安そうでした。



「M君はよく○○○の曲を歌ってたよ」とか「いつもサービスしてたジュース♪」とか、私も色々と話しかけたりしました。

そして、何ヶ月もたった頃、お店にやって来たときに
「俺、戻ったんだよーーー!!」と言ってきました。

えーーーーーーっ、ほんとーーー!!
本当に嬉しかった。

「自分はどんな人間だったんだ?」
「自分はいい奴だったんだろうか?」

絶えず、そういう思いが浮かんで悩んでいる事も聞いていたし、クラスの子に「貸したお金返して」とか言われて困った事もあると聞いていました。

私は、失礼かなと思いつつも聞いてみました。「どうやって取り戻したの?」と。

「おじいちゃんが出てきたんだよ。一週間、一週間ずっと俺のベッドの上とかに立ったんだ。おじいちゃんが助けてくれたんだよーー。それで思い出したの、全部ーー。」と彼は言いました。

彼のミラクルはさらに続いて、なんと以前よりもだんぜん成績がアップし(笑)、周りもびっくり状態だったそうです。



そしてM君のおじいちゃんは、M君が悲しみ悩んでいる事が分かって、ずっとそばにいて、サポートしてくれたのでしょうね。思い出せるようにと。

私はもう田舎に引っ込んでしまったので、M君とA君には会えないけれど、きっと元気にしていると思います。






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最終更新日  2005/07/12 04:55:16 AM
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