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2008年04月01日
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著者は防衛大学校安全保障・危機管理教育センター長という肩書きの方です。
基本的には、現在の日本では戦略や情報に対してもの凄く弱点をさらけ出している節があり、あたかもそれが日本の伝統かのように思われているが、本当にそうなのか?というのが本書の出発点と言ってもいいでしょう。

結論から言うと、かつての日本は戦略や情報を重視してきた事は歴史上あらゆる場面から見て取れる、じゃあいつ今のようにグダグダと思えるようになってしまったかと言うと、日露戦争の勝利によって、傲慢になってしまい、戦略の重要性を軽視してしまったところから始まると。
さらに、日露戦争から二次大戦までは自国の歴史の良い部分だけをピックアップし、国家的民族的に傲慢になった、選民的民族主義とでもいえるような方向に暴走してしまったのに対して、二次大戦以降は逆に日本が歴史的に戦略も情報も全く使えなかった、ダメな国民であったかのように極論から極論にふれてしまっていて、冷静に歴史から学び取る事が出来ない状況に陥ってしまった事が、大きな問題になっていると。

大局的な戦略というのは、本来非常に重要な事なのですが、戦後日本は、こと戦争が絡むと、平和であることが一番であり、戦略うんぬんを考える事すら悪であるかのように扱う部分が目立ってしまっていますが、孫氏の兵法にあるように、戦わずに勝つ事が一番重要な戦略であり、何でもかんでも直接的な戦争をするのはバカのすることである事は明確に示されていますし、覆される事がない事実であると個人的にも思っています。
で、そこで、大局的な戦略ですが、現在の日本の政府を見ていると、自国民を守る気ないだろう?どこの国の政府だよ!と思えるくらい悲しいくらい、日本を守るために情報を有効に使わないどころか、よその国の利益のために情報を発信しているのではないかと頭を抱えたくなりますね。

で、古代の文献から日本人は伝統的にはどうであったかという分析をしています。
特に面白いと思ったのは、「 古事記 」について戦略的にどういった事が行われたのかと言う視点で分析している事ですね。

この後に分析されている源平の合戦や、楠正成であるとか、戦国時代に関してはいくらでもイメージもできますし、知識としても合戦が単なる力比べではなく戦略が重要であった事も知っていたのですが、古事記がそういう見方ができるのであるというのが、新鮮ですね。
まぁ私も古事記を読んだとはいっても、細かいところはよくわかっていなかったんですけどもね(苦笑)

とりあえず、古代から二次大戦までを分析して戦略や情報の重要性がわかりますし、優れているところは優れている、劣っていたところは劣っていたと、イデオロギーに捕らわれずに書かれているのが読んでいて辟易する事がなく、素直に楽しめますね。
1つの歴史解説書としても読めますので、あまり国家がどうだのいうと、何となく右側の偏ったもののような感じがして、引いてしまうというような人でも楽しめる内容であると思いますので、なんとなく引っかかりを感じた人は一読をお薦めします。

日本人は戦略・情報に疎いのか





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最終更新日  2008年04月01日 21時08分35秒
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