地下室で手記

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2008年06月24日
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「 電波男 」で一躍二次元至上主義者として有名になった本田透が、世界にはこんなにも電波男がいるという事を書いたというか、「 喪男の哲学史 」で哲学はモテナイ男の心の叫びであるとして、哲学を考察したものに続き、物語をモテナイ男の三次元世界への絶望から生み出されたものという説で読み解くものになっています。

本田透の著書で、何が一番面白いと感じるかというと、力技とも言える論理構築であり、一種のルサンチマンの暴走であると考えますが、その点でも本著は久しぶりに、こういうものを期待しているんだよなと思えるものでした。

どうも、「 なぜケータイ小説は売れるのか 」であるとか「 自殺するなら引きこもれ 」なんていうのは読んでいても、ブレーキをかけているなという感じが残ってしまっていましたので、やっとブレーキをかけずに、妄想への思いのたけを暴走させている事に安心を覚えたりします。

基本的に物語は、モテナイ男=喪男がそのために満たされぬ想いを発散させるために作り上げたものと定義し、それによって、満たされぬ想いを、秋葉原で無差別殺人を起こすような方向に爆発させずに、昇華させることである。

また、その物語は発信側だけではなく、受け手もその物語によって満たされる事により、世の中丸く収まって目出度し目出度しとなるべきものであるとしています。



まぁ恋愛資本主義については、それこそ「電波男」で書かれているので本著では軽く振れられるだけではありますけども。

メインとして扱われているものは、物語の基本パターンの分析です。

物語は基本的には8つのパターンに分けられ、それがいくつか組み合わさったりする事によって広がっているとするものですね。

超人(力・モテ)
怪物(力・喪)
時間(飛翔A)
空間(飛翔B)
童貞(永劫回帰)
人間萌え
空想萌え
人工萌え


これに、神話、文学、マンガ、映画等等すべての物語を貴賎なく並列に考えて、それぞれのパターンに当てはまるものをあげていきます。

個人的には、ロシアという事から考えたドストエフスキーについての解説を読んだ直後だけに、ドストエフスキーについては、楽しく読みましたね。

童貞(永劫回帰)のパターンとして当てはまる、19世紀最高の引きこもり小説である「 地下室の手記 」と人間萌えとして、萌えキャラとしてのソーニャという事を中心にとらえた、「罪と罰」です。

ロシア的であるとか、キリスト教からの影響とかよりも、ある意味こっちの方が分かりやすいというか、納得できてしまうというか。



行き着くつ所は全てモテナイという事と萌えるという事に集約されてしまうわけですが、その力技具合が非常に心地よい部分もあり、現代の世の中に蔓延している、恋愛資本主義と、人は外見が全てというものに対する不満を、外側に爆発させるのではなく、内側に入り込む脳内至上主義って言うものこそが平和で素晴らしいと思うようになれる・・・かどうかは個人の資質によるでしょうが、少なくとも私にはそう思えるものですね。

既存マスメディアが作り上げている現在の社会風潮に対して不満があり、物語って素晴らしいよねというような考え方が少しでもある人は読んでみると面白いのではないかなとは思います。
読む人を選ぶとは思いますけど。

世界の電波男





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最終更新日  2008年06月24日 22時44分11秒コメント(0) | コメントを書く
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