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2009年07月09日
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表題を見ると、現在の日本は官僚の利権体質にむしばまれているから、そこから脱却しないとダメというようなもので、官僚の悪事を書きたてるようなものを想像してしまいましたが、そういったものではありませんでした。

ある意味、それ以上の事ではありますけどもね。

談話集ですので、同じテーマが繰り返されたり、順を追って説明するという流れではありませんが、ある意味繰り返されることによって内容は理解しやすいですね。

著書の岸田秀という方は、有名な心理学の先生で、私もタイトルだけは目にしていて気になっていた「ものぐさ精神分析」というベストセラーも持っているという事で。

私は初めて知った事になりますが、唯幻論という考え方をもっています。

要は、現実ではなく、幻に捉えられて行動するという事。

人の精神分析を国に当てはめて考えるというものは、非常に興味深く読めます。

日本の場合、アメリカに対して2度の敗戦を経験し、それを現実として受け入れずにごまかしながらやってきているため、歪みが生じているというもの。

幕末の開国は、現実としてはアメリカに強引に脅迫されたものであり、決して日本が望んだ事でもなければ、アメリカの善意で国交が始まったわけでもない。



現在の日米関係も対等な同盟であるという前提で全てを語っているが、アメリカは日本を属国としてしか見なしていない。

日本も原爆を落とされたり完膚なきまで叩きつぶされ敗戦国になり、悪のレッテルを世界史上でも珍しいレベルでがっつりと貼られるという状況である事は理解できるはずなのに現実から目をそらし、アメリカのおかげで、日本は軍国主義を脱することができ、今では対等な同盟関係を結んでいるという幻にすがっていると。

現実から目をそむけ幻によって行動することが唯幻論という事で、理解しやすいですね。

もちろん、日本だけが幻に捉えられているのではなく、アメリカも同じであり、アメリカの場合は建国そのものにトラウマがあるという分析。

誰しも分かっている事ですが、アメリカという国は、人工的に作られた国であり、原住民から白人が収奪、略奪、虐殺とやりたい放題して作り上げた国です。

そして、その後ろめたさというものは自覚はしている。

しかし、そういった後ろめたさを消し去りたいが故、アメリカは自由の国として神から与えられた使命を果たして作った国という幻を作り上げた。

そして、そのため過剰なまでに自分達が正義だと言い続けなければいけないし、決して本気で自分たちの犯した罪を振り返る事はしない。

というか、してしまったらばアメリカはアイデンティティが保てなくなるというものですね。

国も人間と同じような精神構造をもっているという考え方は面白いだけではなく、納得のしやすいものですね。

こういった分析のほか、一神教と多神教の違い、特に他者に不寛容になる一神教の性質なども面白く読めますね。



官僚病から日本を救うために





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最終更新日  2009年07月09日 20時52分54秒
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