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2010年04月14日
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中村彰彦という作家の存在を知る事になったのは、私が新撰組関係の小説を読み漁っている頃であり、視点として明治維新は初戦勝てば官軍という立場でしか無く、非常に強欲であったという事を貫いているあたりに、明治維新は西日本ばかりが中心となっていて、あまり気分が良くない私にとっては、ちょっとうれしくなってしまったりするものでした。

とはいえ、新撰組好きの主な理由が中心人物が多摩地区出身者であるというものである私にとって、私衛館メンバーも、地位が上がるごとに俗物という扱われ方をしていたのは、少し寂しいんですけどもね。

では、新撰組をメインに扱った小説群(島田魁を主役にした『いつの日か還る』は主役が選びの時点で渋いですな)の中で常に素晴らしい扱いであったのは、会津藩主の松平容保であったりしました。

薩長政府の下で完全に朝的扱いされた会津藩ですが、徳川幕府の中で一番優れていたのは会津藩であり、薩長政府の私怨によりボロカスに言われているだけであり、その汚名をそそがない事にはいられない!という気合が前面に出てきていました。

さらに、何故会津藩が素晴らしいのかという事で、遡って会津藩の藩祖といえる保科正之が素晴らしく、その教えが綿々と受け継がれているから素晴らしいのだというのが強調されまくっているのですね。

ある意味、この作家は保科正之普及活動に全てを捧げていると言っても過言ではないくらいのものですから。

実際問題保科正之という存在は、中村彰彦を通じて初めて知った名前であり、正直本当にこんなに素晴らしい人物が歴史上にいたのかと懐疑的になってしまうくらい政治家としては理想像な扱いになっています。

その最も重要な考え方は「足るを知る」であると。

権力者たるもの、自分の欲望を充足させる事ばかりに暴走するのではなく、自らにストッパーをかけておき、自分はこれくらいで十分だから、領民全体に富が回るようにしましょうという事ですね。



それが分かっているからこそ、領民のために私利私欲を捨て善政を行ったのが保科正之の凄い所であり、さらにそれが巡り巡って、国内の治安が安定したり、労働力人口が上がり国力が上がったりと、好循環な結果を残したと。

歴史上の人物と現在の政治家を単純比較する事は、制度やシステムが複雑化しているため出来ないものですが、少なくとも姿勢くらいは知っておかない事にはと思ってしまうものですね。

歴史上素晴らしいという例を見れば見るほど、現実の方の足るを知らない強欲な独裁者たちの醜悪さが見えてしまい、むしろ暗澹とした気持になるのは何故なんでしょうね?

保科正之の功績などの分析としては面白い一冊ではありますが、小説の『名君の碑 保科正之の生涯』の方がやはり面白いなと。

小説ならば現実と照らし合わせないで済みますから(遠い目)

慈悲の名君保科正之





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最終更新日  2010年04月14日 20時57分36秒
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