だーれんの中国帰国日記~ちゃいなりぃ~

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テーマ: 中国&台湾(3344)
カテゴリ: カテゴリ未分類
「日本のメディアは中国をどう見ているか?」

古巣・北京語言大学で29日、「日本文化祭」が開催され、そのなかで朝日新聞の五十川倫義・中国総局長による講演が行われた。

五十川さんのお名前は以前からもちろん知っていた。
なかでも、今年1月25日の朝日新聞に掲載された「日本人の声載せた『魔女』(風 北京から) 」という記事が印象に残っていた。

この記事で、「魔女」というのは、中国の雑誌記者で「大学卒業から間もない現代娘」。「対日関係に新思考は必要か」というテーマで受けた取材について書かれている。五十川さんは、西北大学事件に関して、「関係ない人にまで暴行したのは行き過ぎだ」という日本の声を伝えたうえで、「日本の悪い面は報道しやすいが良い面は難しい、と中国人記者から聞いたことがある。互いの本当の姿を全面的に紹介すべきだ」と述べたいう。

しかし、中国の雑誌の事情をよく知るがゆえに、こうした反論は掲載されないと思ったという。が、時間をしばらく措いて、「私の記事が今週号に載るよ」と「魔女」からのメール。反論の量は少ないないながらも、掲載されたという。

記事の最後をこう締めくくられている。
「貿易・投資や北朝鮮問題などで、お互いの関係が年々重要になり、もっと日本人の声も聞いてみよう、と考える人が中国で少しずつ増えていると思う。歴史認識など日中の問題は複雑だが、『これ以上は平行線だ』とあきらめないで、日本にある考え方を中国の人々に積極的に語り、また彼らの声を聞き、ともに接点を探り合うべき時が来たのではないだろうか」。

私も、北京に来て2年数か月、毎日メディアを学ぶ中国人学生と机を並べて日中関係を語るにつけ、これとまったく同じ思いを強めていたので、この記事を読んで一種の興奮を覚えた。



会場に集まった人数は50人足らずだろうか。決して多くはなかったが熱い拍手に迎えられて登場した五十川さん。まず中国語で自己紹介。89年に留学で初めて訪れた北京で、北京外国語学院(当時)に向かうべきところ、間違って語言学院にたどり着き、しかも事務室で自分の名前が見つからず、その後にやっと間違いに気づいた失敗談などが披露された。北京滞在はあわせて9年になるという。

講演は、主に日本語で行われたが、分かりずらいところは中国語をつかう気遣いも。中国の学生に日本のメディアを伝えたいという熱い思いが伝わってきた。

私の理解による話のポイントは、以下の通り。
1)日本のメディアは時に政府ともケンカをする民間会社で政府の監督機能を果たしている。
(例:88年リクルート事件、首相の年金未払い報道など)

2)日本のメディアの主張はさまざま。同様に日本人の考え方も一つではない。
(例:04年元旦の小泉首相靖国参拝に関する社説など)

3)日本の中国に対する見方は、脅威論に代わり「チャンス」と捉える見方で一致してきている。

4)経済交流が密になる一方、両国の相互理解は不十分、この面で両国のメディアが果たすべき役割は大きい。


五十川さんが中国の学生を対象にした今回の講演会で1)2)を特に強調されたことに私は大いに納得。

中国では、外交問題など国策に関わる事項の主張は、新華社が一元管理しているため、中国人は他国に対しても同様の見方になってしまいがち。メディアを専攻する私のクラスメートの間でも、日本のメディア=日本政府の考え方という誤解を感じること度々がある。



私自身、中国との関わりは92年以降、10年以上になるが、中国を理解出来ているかといわれればまったく自信がない。しかし、北京で2年を暮らしてもそう感じるのだから、来たことのない人にはさらにそれが難しいだろうと思う。特に、独特のこの「におい」を伝えることの難しさを思う。

大きな事件や経済ニュースは毎日メディアを通じて溢れんばかりだが(それでも絶対量はまだ少ないが)、日本にいる人にその「空気」を伝えることは更に難しい。この日記を通じても日々それを感じる。

しかし、五十川さんの記事には、「和装の花見“盛況”」(4月23日)や「中国旅行誌に『普段の日本』 庶民の生活特集、『心の静けさ』新鮮」(5月24日)など、その「におい」が感じられる記事が多いように思う。これらの記事が、事件報道などと比べて、日本でどれくらいのインパクトをもって読まれるのかは分からないが、こうした積み重ねが大切なのだ。

そんなことを思いながら、やはり取り壊されてしまった「第三食堂」の更地をカメラに収めて語言を後にした。
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最終更新日  2004年05月31日 08時39分04秒
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