ちゃいにーずティー

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④WSU(化学療法棟)




HCAとして、勝手気ままに好きな病棟を回れるなんて、またとないチャンス。いい経験になるし、できるだけたくさんの病棟を回ろう、と決めていた私は、ホスピスの次に興味があった化学療法棟、通称WOODEN SPOON UNIT(WSU)に2週間お世話になった。

ここは、化学療法のデイユニット。つまり、患者さんたちは日帰りで化学療法を受けに来るのだ。
ちなみに、ロングタームで集中治療が必要な人は、1病棟(化学療法病棟)に入院するため、WSUと1病棟はおのずと連携している。

さて、まずWSUに行って驚いたことは…

①病棟は全て寄付とチャリティーで作られたとてもアットホームな雰囲気の綺麗な病棟
②ナースもドクターも制服を着ておらず(つまり私服)、バッチをつけているだけで、病棟、という雰囲気が全くない
③WSUで働くナースは全て10年以上の経験豊富な人たちばかり!
④病棟自体が家のような感じで、心地よい音楽、そして、化学療法の点滴を受けるのもベッドではなく心地よいアームチェア

などなど、この病棟はすごく特殊な色を持っていた。そして、なにより、患者さんとスタッフが長年知り合った友人のように仲がいいのだ。確かに、化学療法は長い期間を要する場合も多く、おのずとスタッフと患者さんは長い期間付き合うことにはなるが、その二者間には明らかに固い信頼関係がしっかりと形成されていた。

さて、私は、というと、本当に何もすることがなく、毎日患者さんとお話をすることがほとんどだった。
そこで気づいたことは…

①ほとんどの患者さんは、すごく自立心が強く、できるだけ入院を避けて自分のライフスタイルを崩さず治療に専念している
②皆、「がん患者さん」ではなく、「1人の人間」として病気と闘いながらも肩肘張らず、しっかり生きている
③皆WSUが大好き!
④1人の患者さんは、WSUに来るのを、友人宅を訪れる感覚で来ている、と言っていた。

とにかく、がん患者さん、というレッテルをこのWSUの門をくぐったときから張られてしまうわけだが、みんなそんなこと屁ともせず飄々としている所がとっても印象的だった。

結局その後HCA研修を申し込んでいたホスピスは、学生の人数が満員ということで残念ながらお断りされてしまったが、このWSUでの経験は、私のがん看護、という視点を180度変えてしまった貴重な体験だった。


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