今朝は10時に電話で起こされた。それまで寝ていたのは、めずらしい。昨夜の練馬文化センター、立川談志一門の落語会は超満員でね、ナカミも抜群だったね。
志の吉、談笑、談春、くわえて、談志だ。面白くないわけが無い。落語を冷ややかに、意地悪く見てる人も、あれなら満足したであろう。
それにしても、談志はすごい。身近にいるご隠居が、正直うなった。やかんの一席をやったがね、場内爆笑につぐ爆笑、それも辛口の警句やヘリクツの金言、ひねくれたウラ読みの真理、果ては荒唐無稽の珍問答、これらが次から次へこれでもかこれでもかと飛び出すので、観客はイキするヒマもないんだね。談志の芸は、もう人間業ではないな。
その談志が先日、我家にきてね、テレビのあまりに古くて小さな旧型をみて、「これがチンペイの眼病の原因だ」と、確信したのだろう。ゆうべの楽屋で会うなり開口一番、「陳さん、大型の薄型テレビ買ってやるよ、大画面見れば、目は治る」ときたもんだ。
「株でもうけたら買うんだ、ほっといてくれ」というわけにもいかんしね。普通ならこんなうまい話ないのにね、ご隠居断ったよ。「新型のテレビ買うと、つい、見すぎて目が疲れる。これじゃ、回復しない」てなこていってさ、せっかくの談志師匠の好意をうけなかったんだ。勿体ねえ、とまわりの人がため息ついたよ。ご隠居も、ほしかったけどさ、大型のいいテレビがきちまったら、マジにテレビばかり見てしまう、これじゃテレビ評論家になりさがる、ここはヤセガマンだ、てえわけで、「談志師匠、気持ちだけもらう。目がよくなったら、高いのを買ってくれ」
談志はホントにいい奴だねえ、ちょいと、我家へ寄っただけで、もうご隠居の不自由な眼のことに思いを馳せ、こりゃでかいテレビで陳さんの眼を治してやろう、このデリケートの気配りがたまらんよ。談志の好意にすぐ反応したほうがいい、とまわりの弟子たちは思ったらしいが、いま思うと、やぱっり大型テレビ素直に買ってもらったほうがよかったかな。こんなうまい話、世の中にそうは転がっていないもんな。
さて土曜と日曜、また何か仕事らしきことをすることになるのかな。もう体力が衰えて、たいした仕事できねえよ。頑張ることになんのイミがあるのかなぁ。ご隠居のほうが談志より先に、くたばりそうだ!
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