2002年08月09日
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新聞を開くと毎日のように載っている死亡記事。もちろん誰が死亡した時も載せてくれるわけではない。

私が会社で秘書をしていた時は毎日新聞でこの欄をチェックしてから会社に行っていた。
会社でとっている新聞の死亡欄もチェックしたし、インターネットの死亡欄もチェックしていた。
つまり3回のチェックしていたのだ。そのくらいこれは大切な仕事の一部だったのだ。
なぜなら取引先の関係者が亡くなっていた場合、いち早く誰の名前で弔電を打つかとか花輪を送るかどうかとか部長がお葬式に列席するかどうかとかいろんなことを考えないといけないのだ。
そして考えるとあちこちに連絡してスケジュールの調整をしないといけない。

重要な取引先の人(しかもその人の権限がどのくらいかにもよる)の関係者が亡くなった場合は、どのような対応を取るかとか。。。
もちろん分厚い秘書マニュアルがあって基本的には、取引先の常務のお母さんが亡くなられた時は、これとこれとこれをする。とか、部長の奥さんが亡くなられた時は、こういう感じで決まっているのだ。

だからいちいち朝会社に行って部長と相談してあちこちに電話を掛け捲って処理をすることになる。
常務名とか専務名とか社長名で弔電を打つ場合には、各々の秘書さんに文面をFAXしてチェックしていただいてから打たなくってはならない。
ましてやお通夜とかお葬式に列席していただく時には、スケジュールの調整もあって本当に大変なのだ。
だから秘書だけに任せておくんじゃなくって上司も自らきちんとこの死亡記事はチェックしているのだ。

こう考えるとこの死亡記事ってどれだけ多くの人が必死で見ているのか分からない。
くどくどとこういうことを並べてみたが、言いたかったのは、私が会社を辞めてからこれを思い出したのは、懐かしくでもなんでもなく、自分の父親が一昨年に他界した時のことなのだ。
うちの父親はこういった新聞に死亡記事が載るような偉大な人物ではなかった。
だから死亡した時も親戚の人や会社の人がその場に居合わせていてくれて、その人達があちこちから連絡してくれて、生前父親と交流のあった人達がお通夜とかお葬式に来て下さったのだ。
その時に私はぼんやりした頭で、もしも父親が全国版の死亡記事に載るような人だったら勝手にいろんなところから弔電や花輪やといったものが一杯届くんだな。列席者も会社関係者で一杯になるんだろうなと思ったのだ。
なんだかそう考えるとすごく切ないような気がした。

そりゃあ、息を引き取る時に多くの人に見送られて逝ったというのは普通に考えれば幸せなことなのかもしれない。

普通、ほとんどの人は全国版の死亡記事に載ったりはしないだろう。でも、現実に載る人もいるのだ。
だからといって人の死というものの重さは誰も同じ筈なのだ。

この話を夫にすると、「それは、たまたま、ちりがそういう仕事をしていてそのことに特別の思いがあるからじゃないの?普通は載らないのが普通なんやし。僕の親も載らへんし、僕も君も死亡記事は載らないよ。君のお父さんのお葬式には大勢の人が来てくれたし、いいお葬式やったと思うけど。。。仕事の関係者なんか本当に悲しんでいる訳じゃなくってお義理で来てくれるだけで、仕事の一環やんか。そっちの方が虚しいやろ。」と、至極当たり前のことを言った。
それは確かに真実で夫の言葉は、正しいと思う。
でも、人が死んでからまで人の死の重要さと言うんだろうか重みを宣伝されるなんてと思ってしまうのだ。


生きている時は、その人のなしえたことによって地位や名誉を与えるのはいいから、人が死んでからまで区別するのは如何なものかと思うのだ。
死んでからは放っておいてあげましょうよ。みんな死んでしまえば一緒でしょう?
えらい人の死もそうでない人の死も平等にその人の死は悼んで差し上げましょうよ。
命の値段は、みんな同じですよね?そりゃあ、高額な治療が受けられる人とそうでない人の場合、命の値段からして同じとはいえないと言えるかもしれないけど。。。
昔、子供の頃に読んだお話に、「その人のお葬式の時にね、誰かが心からその人の死を悲しんで泣いてくれなかったらその人は天国に行けないんだよ。」と、いうような件があった。
何の根拠もない子供向けのお話だったけど、大切な人の死には心からの涙を送りましょう。
それがその人にとって最後の餞になるのだから。。。





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最終更新日  2002年08月09日 23時15分57秒


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