腹ペコだった私は、とにかく空腹を埋めたかったので、注文した。
親父は、私の様子を見て、急いで調理して食事を運んできてくれた。
「これで、足りる?」と親父は、心配そうに私の顔を覗き込みながら、食事をテーブルの上に置いた。
私は「ありがとう。大丈夫、これで十分です。」と親父の心配に感謝しながら、答えた。
そして、急いで目の前の食事をお腹の中に押し込んだ。
私のお腹はだいぶ膨れてきて、気持ちも落ち着いてきた。
そこで、私はゆっくりと周りを見渡した。
アチコチでしている色んな会話が耳に飛び込んできた。
それとはなしに話を聞く。
隣のテーブルの二人は、仕事帰りの上司と部下らしい。
部下は、職場の問題児のようだった。
上司は、さもお前の味方で、心配しているんだといった態度で、部下に話しかけていた。
部下は、神妙にその話を聞いているように見えた。
私のような人間がここにもいたと、その部下に何か親しみを覚え、思わず彼等の方に視線を投げかけた。
私の視線は、自然にお腹に向いていった。
すると、上司のお腹は黒かった。そして、部下のお腹は綺麗だったが、お腹はぱっくりとは開いていなかった。
私は、この上司は結局部下のことを思っていないのだろうと感じた。そして、部下もそのことに薄々気づいていて、上司の誘いに応じたが、本心は決してみせないのだろうと思った。
私は、食事のペースを落として、彼らの会話に更に耳を傾けた。
続く
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