添乗員は見た![あんな事こんな事]

添乗員は見た![あんな事こんな事]

2010/03/24
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のだろう。
しょんぼり慌てて否定したところで反って疑われるかも知れないし,スマートじゃない
ような気がする。いっそのこと,ある事ない事しゃべくり倒そうか?とも
思ったが,いくらイケメンでもからかってる暇などない。あきれ顔を隠す事は
出来なかったが,クールに受け流すことにした。
添乗員は朝食に時間をかけられる訳もなく,私たちは黙々と食事をしていた。

「お先に・・・!!」

「・・・!!」

フロントへ戻ると,ロビーは出発前の団体客でごった返していた。
ウチのグループより少し早く出発するその人たちは,少しがんばり過ぎた
お化粧と,絶妙にずれている流行のファッションでに身を包み隠している。
貴重品の入った斜めがけのポシェットには,今トイレから出てきた
ばかりなのか,中途半端にしまわれたハンカチが飛び出している。
そう・・・,“あれから40年の”中高年の皆さんだ。大笑い

私が全部のチェックアウトを終えてロビーに戻って来ると,ウチの
お客さんがチラホラ売店をうろついているのがわかった。
そう言えばさっきの中高年の皆さんは,既にバスに乗り込んでしまった


私たちも,間もなく出発だ。私は,口紅を直そうとトイレに入り,
鏡の前でカバンの中の化粧ポーチを探していると,トイレの中から
一人のおばちゃんが出てきた。
大きな荷物を抱えたまま個室に入るのは,さぞかし大変だったろう・・・,
と,思いながら鏡越しにおばちゃんを観察していると,なにやらゴソゴソと

と,思って声をかけた。
「どちらからお越しですか?」
「群馬からです。」
「じゃぁ今日はもうお帰りですか?あっ,ここに荷物置けますよ」
と,言いながら,手伝って上げようとおばちゃんの荷物に手をかけてしまった。
うかつだった。
おばちゃんの荷物を持つ手に力が入って,私の手を拒んでいるのがわかった。
「大丈夫です。自分で出来ます!」
「失礼しました」

やっぱり私は,この年代の女性は苦手だ。“さっさと逃げよ~”と,
肩をすくめながらトイレを出た。
すると・・・,誰かを捜しているようなあのイケメン添乗員を見つけた。
どうやら,一人足りない・・・らしい・・・?!
ピン!と来た。
私はイケメンに合図を送り,トイレに戻った。
おばちゃんは,ナント,口紅を直していた。
「あの・・・,お客様のとこは若いイケメンの添乗員ですか?」
「そうだけど・・・。」鏡に映った私にチラッと目やった。
「出発のお時間みたいです!探してますよ!!」
「あらっ!!」と,慌ててこちらを向いたとき,口紅がはみ出ししまった。
おばちゃんは,もう一度鏡を見ることもなくそのまま出て行った。
呼び止めて,教えて上げる事も出来たが,私はあえてしなかった。ウィンク
           つづく





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最終更新日  2010/03/24 03:52:57 PM
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