添乗員は見た![あんな事こんな事]

添乗員は見た![あんな事こんな事]

2010/09/08
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カテゴリ: カテゴリ未分類

それはどちらも,金バッチを付けた人に同行した,名ばかりの
視察旅行と言われるものだった。

金バッチを付けたおじさま達には,長年の経験で培った私の愛嬌
で可愛がられる事はあっても,いじめられることなどほとんどな
いのだが・・・。
私の想像を遥かに超える人間たちは,良くも悪くも私の心に残っ
ていて,私の添乗員履歴に深く刻まれているのだ。
思い出すのも腹立たしいが,打ち明ける事にしよう。


二つ目は,“ある金バッチの性癖”

まずはカマキリを紹介しよう。
そのカマキリとは,今回の視察旅行を企画・催行した,一般的には
社員旅行の幹事さんと言われるものに値するが,金バッチ達を連れ
て行く視察旅行の場合は,お世話係といった意味合い強い人だ。

その人達の気遣いには,時に気の毒に思うほどなのであるが,
このカマキリは,異常なまでに金バッチに気を遣い,添乗員を顎で
使い,非常識なことを当たり前のように要求する,人間の顔をした
昆虫だ。

それは,梅雨真っ只中の沖縄へ行った時のことである。
集合場所の羽田空港で,一匹のカマキリが早速カマを振り上げた。

「ようっ!搭乗券もらって来たか?」
と,いきなり声をかけられたが,私は落ち着いて挨拶をした。
「おはようございます。添乗員の桜来空子と申します。
   よろしくお願いします!」


と思っていたのは間違いないなく,世間から遠いところにいる
公の人たちに,初めからバカにされてなるものか,と,きっと
私の笑顔は引きつっていたのかも知れない。
カマキリはもう一度言い直した。
「桜来さんよっ,搭乗券もらって来たのか?」

実は,去年まで担当していた先輩の添乗員が,今回他の仕事と
ダブってしまい,急遽私が行くことになったのだが,その先輩
があまりにも申し訳なさそうに引き継ぎをするので,
“あの何か問題でも?”
と,問いかけると,“本当に大変な人たちなんだ・・・”と,
重い口を開いたのだった。

私は自信満々でこう言った。
「金バッチのおじさま達は,私,得意ですから・・・”」

先輩は何故か今にも泣き出しそうな顔で言うのだった。
「どちらかと言うと,そっちじゃないンだ。いつも同行する
   2人の職員が問題ありなんだ!」

「えっ・・・,そうなんですか?どんな風に?」
「金バッチに気を遣うあまり,無理な要求を平気でして来
   るし,出来ない,無理だと言うと怒り出す。・・・・・
   ・・・,とにかくわがままな人たちなんだ。
   どうしようもないジジイもいるし・・・。」

「・・・??」
「・・・どうか堪えてくれ!! 空ちゃん頼む!!」
「・・・?あっ,はぃ・・・。がんばります!」

先輩の悲痛な姿に,私はそれ以上聞くのが怖くなった。
                   つづく
  [この物語は事実に基づくかもしれない,フィクションです 。]






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最終更新日  2010/09/08 04:02:04 PM コメントを書く


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