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2011.06.17
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カテゴリ: 純情きらり



音楽学校の試験に落ちてしまった桜子
ショックを受けて落ち込んで。

なのにマロニエ荘の面々は桜子が更に落ち込みそうなことばかりするし、冬吾さんは結構(なるほどね、とは思うけれど)きついことを言ったりする(苦笑)

そんな第34話なんですが、冬吾さん演じる西島秀俊さんに注目する点が多々あります。

まずは序盤、達彦が合否を見てマロニエ荘に戻り桜子が試験に落ちてしまってことを住人に話しているところに出くわして、じーっと後ろで聞いていた冬吾さん。
そしてラスト、マロニエ荘にあるピアノを弾き涙を流している桜子を声をかけずじっと見ている冬吾さん。
どちらも台詞を発することはないシーンですが、冬吾の桜子に対する心情がしみじみと観る者に対して伝わるものなんです。オーバーに表情に出したり動いたりは決してしません。観る人によっては表情に乏しい、と感じるかもしれません。
しかし、それがいいのです。
顔に何も表していないようでいて、実はちゃんと表れている。
例えば眼がそれを言っていたり、微かに笑みを浮かべたり、その場面にいる存在感で表れている。

そして台詞があるシーンで注目したのはまずこのシーン。
桜子がマロニエ荘に戻ると住人達が自分達の試験の合否を賭けの対象にしていた話を偶然聞いてしまい怒るところ。
達彦も真相を聞きここを出て行こうと言い荷物を取りに行くと・・・何とも気の抜けるようなのんびりした言い方で(穏やかと言った方がいいか(笑))
「俺はあんたが受かる方に賭けた・・・もう一晩泊まってけれ。これで終わりだば、この人達が不憫だな。」
なんて言いのける。
これが恐らく桜子の怒りを更に倍増したようで"命懸けでやってきたんだ!"と泣きそうな顔をして怒りをぶつけるんですな。なのに冬吾は
「試験つうのはそっただ命懸けでするもんたべか?試験ってのは紙っぺらだ、試験に落ちたぐれぇで死ぬ死ぬって。まんずおめぇはほんずねぇ女子だな。」
ほんずねぇ=大馬鹿ものと言い返す。
その言い返し方がすごいんです。
このシーン・台詞、単純に素人が(というより氷子さんがね)考えるとギャーギャーと桜子に激しく言い返しそうなことを考えてしまいますが、西島秀俊さんは普通に会話しているようなトーンで言い返すんです。しかも淡々とした表情で・・・僅かに眼が動き、口元に表情が表れるけれど。
だから逆にこの冬吾のシーンの、この台詞が、妙にガツーンと来る。
淡々としながらも、冬吾の言葉ひとつひとつが心にぐさっと刺さるんです。衝撃っていうかね。
ほんずねぇの意味が分からず首を傾げるとマロニエ荘に住んでいる女性の一人が"大馬鹿もの"という意味だと教えると
「んだ、大馬鹿もんだ。」
と、更に言う冬吾はすごく厳しいけれど(苦笑)実は心の奥底には温かいものがあるんだと感じられるんです。口ではきついことを言うけれど、眼を見るとすごくあったかいんだよね。

そしてもう一つ。
無神経にも(苦笑)マロニエ荘にあるピアノを弾き踊る住人達。桜子はいよいよ切れまくってボロボロの表情に。ピアノだけは今夜は聴きたくないと訴える桜子なのに・・・そんな桜子に対してまたもや冬吾は優しい言葉をかけることなく
「おめぇのピアノではねぇ。人の楽しみさ、口に出すもんでねぇ。」
といさめる。部屋から出て行ってしまった桜子にさすがに他の住人達も凍ったんでしょうか?(笑)チラリと冬吾を見て、それに気付く冬吾は「俺?!」というとまどった表情を浮かべるのには(笑)
この、いさめる言葉を言った後、とまどった表情を浮かべる冬吾@西島秀俊さんがね、いいんです。いい表情なんだわ~。

その後に、階段で落ち込んでいる桜子に静かに好きなものは人に何を言われても辞められないものだと話す冬吾がこれまたたまらんのです。何回も書いてしまいますが、淡々とした表情・佇まい・話し方がじんわりと心に伝わってくるんです。
きつい言葉を言う裏側には、自分も好きなものに対しての熱い思いがあるからこそ、桜子のピアノに対する気持ちを感じての厳しい言葉だったのかな?と感じさせてくれます。
単純に優しくするのではない。けれどもすごく温かい。図太くて、繊細な温かさ。

本放送の時には分からなかった西島秀俊さんの魅力。
静かでシンプルだけれど、しっかりとじんわり伝わってくる。その伝わり方がすごく気持ちがいい。
当時、西島秀俊さんの良さを気付かなかったなんて、なんともったいないことをしたんだと、今観てつくづく思います。

けれども今気付けてよかったなって。
氷子さんがこの歳になったからこそ、気付けたのかもしれないとも思ったり。






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Last updated  2011.06.19 21:49:34
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