Bacchus Antiques

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スコッチ・ウィスキーの部屋

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スコッチ・ウィスキーとは、イギリス北部のスコットランド地方で蒸留・熟成させたウィスキーの総称です。特徴として、麦芽を乾燥させるのにピート(泥炭)焚きをするので、独特のスモーキー・フレーバーがする事です。中でもモルト・ウィスキーと呼ばれるものは、モルト(大麦麦芽)だけが原料で、発酵後、単式蒸留機で2回もしくは3回蒸留し、ホワイト・オークの樽で長期熟成させたウィスキーです。あの綺麗な琥珀色は、樽熟成によって生まれるのです。
こうしたモルト・ウィスキーの蒸留所は、現在稼動中のものが約80あります。蒸留所ごとに、ピートの焚き具合、蒸留釜の形状、仕込み水、樽熟成の方法まで違うので、それぞれ個性豊かな顔を見せます。
モルト・ウィスキーは下のように、大まかな生産地があります。


ハイランド
 一般的には、グラスゴーよりも北の地方を、ハイランドと言っています。下記のスペイサイドは、ハイランドの一部ですが別の地域として扱われます。ハイランド・モルトの特徴は、ボディーがしっかりしているのに、バランスが良く、ピート香も穏やかなものが多い事です。

スペイサイド
 ハイランドの一部です。スペイ川流域には、現在最も蒸留所が集中していて、稼動中のものは50程あります。シングル・モルトの中心地とも言えましょう。スタイルは洗練されてエレガント、豊かな香りに満ち溢れ、スタイリッシュなピート香のものが多いです。

ローランド
 地理的にはグラスゴー以南の地域を指します。気候が温暖なためか、ピート香も少なく、マイルドでソフトなウィスキーが多いです。現在は6つの蒸留所が稼動しています。蒸留は3回行うのが、伝統的手法です。

キャンベルタウン
 グラスゴーの南西側、キンタイア半島の付近を指します。1759年の文献には、この地域に32の蒸留所が稼動していて、スコッチ・ウィスキーの中心地でした。現在は、スプリングバンクとグレン・スコシア蒸留所の、たった2ヶ所が稼動するのみになってしまいました。やや強めのピート香が特徴で、喉越しはスムース&クリーミーです。

アイラ(アイレイ)島
 スコットランドの西、大西洋に浮かぶアイラ島です。非常に個性が強いモルトが多く、ピート香が強烈で海藻やヨードの香りに喩えられる事もあります。その魅力に取り付かれてしまった人は、数多くいます。かのチャールズ皇太子も、このモルトを愛飲している程です。現在稼動中の蒸留所は、7ヶ所です。

アイランズ(アイラ島は除く)
 オークニー諸島やスカイ島の事を指します。オークニー諸島には2つの蒸留所がありますが、それ以外は、1島1蒸留所です。マイルドでスムースなものから、塩辛くスパイシーなものまで、様々です。



■■■ウィスキーの美味しい飲み方バラエティー■■■
 長い熟成期間を経て、この世に送り出されたウィスキー。その味を楽しむ為の、バリエーションを紹介します。

◆ストレート
 スコットランドでは、ニートと言います。モルト・ウィスキーの持つ色、香り、味わい、フィニッシュを楽しむには、やはりストレートが一番です。蒸留所ごとに異なるそれぞれの個性が、ストレートで味わう事で、はっきりと際立ちます。肝臓の負担を和らげるよう、チェイサーは飲みましょう。ミネラル・ウォーター、烏龍茶、紅茶・・・etc。好みでOKです。

ストレート、ショット・グラス はこちら

◆トワイス・アップ・スタイル
 ウィスキー1に対して、水(ミネラル・ウォーター)1で割るスタイル。氷は入れません。実は水を少量入れた方が、モルト・ウィスキーの香りはよく出るのです。香りを楽しむには最適な飲み方ですし、体にも優しいです。実は、プロのブレンダーも、この方法でテイスティングをするんですよ。ピートの香りが最も強く現れるため、初心者には不向きな飲み方とも言えます。

◆オン・ザ・ロック
 大きな氷を岩に見立てて、岩の上から注ぐというのが名前の由来です。氷とウィスキーが混ざったら、1~2口で飲むのが、美味しさを味わうポイントです。ただ、香りはストレート程には立ちません。と言うことは、独特のスモーキー・フレーバーが苦手な方には、適した飲み方でしょう。氷は出来るだけ硬いものが適しています。家庭用の冷蔵庫で作った氷ですと、気泡も入っていて柔らかいので、直ぐに水っぽくなってしまいます。

ロック・グラス、オールドファッションド はこちら

◆炭酸割り
 ハイ・ボールとも言います。グラスに氷をいれ、ウィスキーを注ぎ、冷えた炭酸で満たします。爽快な気分にさせてくれる飲み心地です。因みに、カクテル用語でウィスキーをソーダで割ることを、ハイボールと呼んでいます。炭酸の泡がボールのように上に上がって行くことから、この名前が付いているようです。
暑い日に飲みたいスタイルです。


■ウィスキーと健康について■
 ウィスキーは蒸留により、余分な成分が除去されるので、糖質やプリン体が殆ど含まれていません。その為、ウィスキーを飲んでも、血糖値やプリン体が代謝されてできる痛風の原因物質「尿酸」の量が、大きくは変化しません。更にウィスキーには、ポリフェノールがワインと同じ位豊富に含まれていて、それによりプリン体が尿酸に代謝される働きを抑える効果があります。また焼酎に比べてウィスキーの方が、体外へ尿酸を排出させる割合も3割ほど多いのです。とは言うものの、アルコール自体が尿酸値を上昇させるので、高尿酸血症の方はアルコール飲料すべてに注意が必要です。


■飲み過ぎたかな・・・■
 誰しもある事です。とにかく水を飲みましょう。ジュースを飲んだり食べたりする事は、逆に胃の負担となり、回復を遅らせてしまいます。自分の限界を知る事も、大切です。あとは、しっかり寝ましょう。


■それでも二日酔いになってしまったら・・・■
 何か口にすることが出来る体調なら、酸味のあるジュースや柿を摂取しましょう。柿には二日酔いの悪玉、アセトアルデヒドを分解する成分が、多く含まれています。熱いシャワーを浴びて、血行を促進するのも良い方法です。人それぞれ対処法があると思いますので、適した方法を見付けて下さい。


■ウィスキーの保存方法■
 直射日光を避けて、涼しい場所に保管するだけです。冷蔵庫には入れないようにしましょう。白濁するウィスキーがあるからです。これはタンパク質が固まって、白く見える現象です。霞がかかったかな・・?という程度ですが。香水とか、香りの強い物の近くに置くことも、止めましょう。キャップを開けたら、出来るだけ早いうちに飲み干すのが望ましいです。それでも、残り半分くらいになったボトルでも、2年くらいは風味を持つと言われています。下のボトルストッパーはワイン用として売られていますが、ウィスキーの保存にも最適です。付属のコルク製ストッパーよりも密閉性が高いです。ただ、残りがボトルの4分の1程度になると、空気に触れる量が多くなるので早めの消費が安全です。空気の堆積を減らすために、ビー玉などのガラス製品をボトルに詰めるのも悪くありません。イタリアのBARでは、実際にこの手法を取り入れています。

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