新型コロナウイルス (正式名称は「SARS-CoV-2」)に感染した患者の 重症化の原因のひとつとして、免疫系の暴走である「サイトカインストーム」 が挙げられている。そのメカニズムの一部が見えてきた。
複数の研究機関によると、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の患者の血液内で、白血球の一種であるリンパ球の劇的な減少がみられることがわかってきた。その理由のひとつに、 新型コロナウイルスがリンパ球の70〜80パーセントを占める「T細胞」に感染し、破壊する可能性 が挙げられている。
T細胞は新型コロナウイルスの“侵略”を受けて数が減り続け、ついには 免疫システムのコントロールが効かなくなってしまう。その末に、患者を死に至らしめる「サイトカインストーム」が起きる のだ。
ちなみに 欧州20カ国からの報告では、ビタミンDの欠乏がCOVID-19の症例数と死亡率に有意に関連していると発表されている。
多くの研究では、ビタミンDは自然免疫や適応免疫の応答に重要であり、その欠乏は自己免疫疾患やウイルス感染症の感受性を高めることがわかっている。ビタミンDを正常値に保つことも、新型コロナウイルス感染症によるサイトカインストームや重症化を防ぐひとつの指標になりそうだ。
https://www.natureasia.com/ja-jp/ni/pr-highlights/1071
ビタミンDは、免疫系のT細胞にとって不可欠な情報伝達経路のカギとなる重要な成分だという。 ビタミンD濃度が低い患者由来のT細胞が、健康な個体由来のT細胞に比べて感染への対処能力が低い 理由は、これで説明できる。
https://www.nmckk.jp/nmckk/thesisDetail.php?category=KMBD&vol=18&no=3&d1=5&d2=0&d3=0〈=ja
ビタミンDの免疫調節への関与は,ほとんど不詳であった.しかし,活性型ビタミンDや誘導体を用いた研究,ビタミンD受容体 (VDR) の発見とそのノックアウトマウスの解析などにより,ビタミンDは,免疫制御に関与する可能性が解明されてきた.VDRは,樹状細胞やリンパ球などの免疫担当細胞にも強く発現し, ことに,ビタミンDは,免疫系の調節起点とされる樹状細胞を介するTh1サイトカインの産生の抑制と抗原特異的制御性T細胞の誘導を引き起こし,免疫寛容をもたらすことが示された. すなわち,Th1依存性の自己免疫疾患や移植拒絶反応の制御にビタミンDが有用である可能性が示唆された.多くは動物モデルの研究であり,今後,臨床へのトランスレーションが期待される.
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