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ルール表紙
当然いつも通り。
毎年恒例、BGGランキング堂々8位(2014年2月現在)の傑作ゲーム「電力会社」の拡張マップが去年のエッセンシュピールでも発表された。舞台はインドとオーストラリア。どちらにもひねりのきいた追加ルールがあり、マップも初期配置から唸らされる出来となっている。
まずはオーストラリア(クリックで拡大)。もうマップを見るだけで、これまでとは違うゲームになることが一目瞭然だ。何しろつながってない都市グループが3つあるからねw これまでもイギリス&アイルランドマップで都市グループが2つに分かれていることはあったが、3つは初めてで、その使い方も多少異なっている。
イギリス&アイルランドでは、送電網を2つ(2つの島に1つずつ)持つことができるということになっており、2つ目の送電網を開始する場合には追加の20エレクトロを支払う必要があった。この最初の配置だけが特別で、あとは通常ルールに従って送電網を拡大していくことになる。しかしオーストラリアマップでは、すべての都市はコスト20エレクトロの“仮想の”接続でつながっていると見なされる。このため、まだ自分の家駒を1個も置いていない都市グループに家駒を置く場合、他の都市グループ内で自分の家駒を置いている都市から“仮想の”接続を経由し、20エレクトロを支払って家駒を置くことになる。
この仮想接続はすでに自分の家駒がある都市グループ内でも使うことができる。オーストラリアマップでは都市間の接続コストがかなり高く、ほとんどの場合はあいだに1都市挟むだけで20エレクトロを超えてしまうのだが、そんな場合でも仮想接続を使って20エレクトロを支払うだけですむ。つまり、オーストラリアマップではどんな都市に家駒を置いたとしても、接続コストとして21エレクトロ以上を支払う必要はないのだ。このため、各ステップの終盤には、常に配置コスト+20エレクトロを支払うことになるだろう。支払額が平坦になるので、ステップ序盤で少しでも接続コストの安い都市をどれだけ確保できるかが重要になるのかもしれない。
もう1つの特徴的なルールが「ウランの売却」だ。オーストラリアではウランが採掘されているが、自国では原発を使っていないので、原子力発電所カードは「ウラン鉱山」となる。他の発電所とまったく同じように競りで獲得できるが、なにせ発電所ではないので、発電所の所有制限に含まれない。このため1人でウラン鉱山を何枚でも持つことができるが、「落札できるのはラウンドごとに1枚だけ」というルールは変わらないので、ウラン鉱山を得たプレイヤーは、そのラウンドは発電所を得ることができない。
ウラン鉱山を持っているプレイヤーは、フェイズ5中にウランを売却してお金を得ることができる。各カードは、他のマップで発電所として送電できる都市数分のウラン駒を生産する。これをマップ右側にあるウラン市場に示されている価格で売却し、そのあと価格を(売却したウラン駒数ではなく)ウラン鉱山の数だけ下げる。当然先手(最下位プレイヤーから)が有利だ。建設コストが平坦になる=所持金が平坦になるであろうこのマップでは、このウラン売却が所持金の差に直結し、ひいては競りでの勝敗に関わってくるかもしれない。
最後に「二酸化炭素税」。フェイズ3開始時、オーストラリア政府は二酸化炭素税を導入し、すべての資源の価格が2エレクトロ上がる。発電所を落札したあと、資源を購入する前に値上がりする可能性もあるので、それを見越して余分にお金を残しておかないとひどい目にあうかもしれないw
もう一面はインド亜大陸(クリックで拡大)。マップとしては初期配置場所として使えそうなエリアがいくつかあり、接続コストも控えめなので初心者向けに見える。だがそれは罠っぽいw
まず資源が絶望的に少ない。なんとステップ1では1~3エレクトロのスペースしか使えないのだ。石炭と石油は最大8個、廃棄物は最大6個(ゲーム開始時には3個)しかない。そしてゲーム中を通して、ウランは最大で8個しか出てこないw ステップ2に入ると4、5エレクトロスペースが解放され、ステップ3でようやく全スペースが使えるようになる。
さすがに通常のルールで資源を購入すると先手有利すぎる(というか後手は何も買えない)ので、プレイヤーは購入手番ごとに資源を1個しか買えず、パスするまで購入手番を繰り返す形式となる。まあこれでも充分つらいけどね……4人以上でプレイした場合、ステップ1中に同じ資源を3個以上使うのは相当難しいんじゃないのw
さらに、廃棄物発電所の効率が悪化する。インドの廃棄物発電所は動物の糞を燃料としており、効率が悪いんだそうだ(現実にそうなのかどうかは不明)。このため、各廃棄物発電所は発電のために追加の廃棄物を1個必要とする。序盤の発電所ほど効率が悪くなるので、ほとんど無視されることになるだろう。6番の発電所なんか廃棄物2個で1都市だからね。そんなの誰も買わねーw 買うとしたら30番(4個で6都市)か38番(4個で7都市)からかなあ。
まだまだインドの(というかプレイヤーの)受難は続く。インフラが整備されていないので、急速に送電網を拡大すると停電が起こってしまうのだ。各プレイヤーは建設中に家駒を横向きで置き、全員が置いたら横向きになってる家駒の合計を数える。これが「プレイ人数×2」より多い場合、停電が起こったことになる。停電が起こると、フェイズ5中に得られる収入が「自分の送電網内の都市数×10」エレクトロ減る。10都市持ってるプレイヤーが8都市に送電した場合、90-30で60エレクトロしか得られないのだ。このため、一気に多くの都市を置いてステップ2に入る(またはゲームを終わらせる)戦術は取りにくいだろう(最終ラウンドで停電が起きた場合、タイブレイク判定のために特例として収入が発生する)。もちろん、他プレイヤーの方が大きな被害を受けるのなら、故意に停電を発生させるのもありだ。
他の拡張マップも大なり小なり熟練者向けではあるが、このオーストラリア/インド亜大陸マップはその中でもトップクラスの難易度のようだ。インドは停電の管理が難しそうだし、オーストラリアはウラン鉱山というまったく新しい要素が追加されるので、これまでの経験だけでうまくプレイするのは大変そうだ。我こそは「電力会社」マスターなり、という人向けだねw
BGGの和訳ルール
基本ゲーム
オーストラリア/インド亜大陸マップ
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