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2017.04.07
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カテゴリ: ボードゲーム

 いたるさんにお呼ばれして、一時期市場から姿を消していた人気品薄ゲーをプレイさせてもらった。いたるさん、一味さん、私の3人。

●ヴァスト:水晶の洞窟  Today's MASTERPIECE!!

 デザイナーはPatrick Leder。本作の前に「Trick or Treat」を作っているが、これは埋もれてしまう程度のゲームだったようで、BGGでのレーティング数も少ない。パブリッシャーはアメリカのLeder Games。たぶんデザイナーの個人会社だろう。2作目となる本作はkickstarterで目標18000ドルに対して15万ドル弱を集めた。これでも実績のないパブリッシャーとしてはなかなかの集金だが、これが望外の傑作だったらしく、日本のギークが注目したときにはすでに市場から姿を消していた。そのあと2版の出資募集があったが、目標12000ドルに対して50万ドル弱と大成功を遂げている。

 テーマはファンタジーで、舞台はタイトル通りの大洞窟。プレイヤーの1人は勇敢な騎士となり、邪悪なドラゴンを倒すために(あるいは高価な水晶を集めるために)この大洞窟に潜ることになる。

 ここまでならありがちだが、このゲームを唯一無二のものとしているのは、これが非対称マルチゲームだってことだ。みんなが同じことを実行できるマルチゲームなら数え切れないほどあるし、それぞれがまったく異なることをする一対一ゲームもまた数え切れないほどあるが、“非対称”で“マルチ”ゲームとなるとぐっと少ない。有名どころだと「ケイオス・イン・ジ・オールド・ワールド」「クトゥルフウォーズ」なんかがそんな感じだ(私は未プレイだが「ザ・ロード・オブ・ジ・アイスガーデン」もそうらしい。そして面白いらしい。やりたい)。

 だが、これらにおけるプレイヤーの立ち位置は、程度の差こそあれ「似て異なる」といったところだ。しかし「ヴァスト」は違う。もう全然違う。どのくらい違うかと言うと「スコットランドヤード」の泥棒役と刑事役ぐらい違う。「呪いのミイラ」のミイラと盗掘者くらい違うのだ。何しろ共通するアクションというものがいっさいないからねw

 今回は3人プレイでの推奨セットから騎士、ゴブリン、そして洞窟をチョイスし、私が騎士、いたるさんがゴブリン、一味さんが洞窟となった。そう、このゲームではプレイヤーが洞窟になることもあるのだw この組み合わせの場合、騎士は「水晶を5個集めて洞窟の出口に到達する」、ゴブリンは「騎士をぶっ殺す」、洞窟は「全部の洞窟タイルを置ききったあと、洞窟を崩壊させて水晶タイルを5枚取り除く」というのが勝利条件となる。


 我が頼もしき騎士。女性なので日本的には姫騎士だ(姫かどうかは知らん)。この垢抜けなさが実に駆けだし冒険者っぽくてよろしいw

 何しろ実行できるアクションがまったく違う。強いて言えば騎士とゴブリンの「移動」は似てなくもないが、騎士が移動力ポイントを消費して移動するのに対し、ゴブリンは基本的に無限移動できる(意味があるときしか移動しないが)ので、やはりだいぶ違う。そして協力ゲームではなく競争ゲームだから、他プレイヤーの目的や実行できるアクションについても最低限知っておかないといけない。協力ゲームなら

「実は俺はこんなことができるから、この窮地を切り抜けることができるのだ!」
「な、なんだってー! やったぜ!」

 でもいいだろうが、競争ゲームで

「実は俺はこんなことができるから、強化されたお前のキャラを一発でぶっ飛ばすことができるのだ!」
「な、なんだってー! ふざけんなこの野郎!」

 ではリアルファイトに発展しかねないからなw つまり3人プレイなら3キャラの全アクションを全員が把握している必要がある……もうお分かりだろう。インスト超大変w プレイ人数は1~5人となってるが、全員が事前にルール読んでるんでなければ3人が限界じゃないかな。


 何とかルールを把握してゲーム開始。騎士は水晶を5個集める必要があり、そのためにはまず洞窟プレイヤーに水晶タイルを配置させなければならないので、最初はうろうろして探索済みエリアを増やしていくことにした(というかそれしかやることがない)。騎士は経験を積むとレベルアップしてやれることが増えるのだが、通常アクションでは経験値がちまちまとしか得られないので、条件を満たすと多少多めの経験値がもらえるサイドクエストをこなすのを目指した。

 割と順調だったのだが、よくて3点くらいしか経験値入らないのに、ゴブリンと洞窟のアクションで5点マイナスされるのには参ったw 毎手番かならず実行されるわけではないけど、どう考えても放置してたら成長が頭打ちになるのは明白だったので、中盤以降は盾(経験値の喪失をソースごとに1点だけにする)が手放せなかった。終盤にはどうしても他のアクションのために盾を外すこともあったが、そんな隙をいたるさんと一味さんが見逃すはずもなく、きっちり削られた。おっかねーなこの人たちw

 素直なアクションばかりで、目的も理解しやすい騎士のプレイングは比較的簡単だったように思う。対してゴブリンと洞窟はかなり難しそうだった。ゴブリンは怒りポイントをため、それを使って3部族を育てて騎士を殴ろうとするのだが、部族が一定の強さを越えると仲間内で喧嘩してバーストしてしまう(ボード上から取り除かれ、強さが少し下がる)。このマネジメントだけでも大変そうだったが、1手番でボード上に配置して即座に騎士を攻撃できないので、どうしても騎士に対策されやすい。明るい洞窟タイル上を歩くだけでゴブリンは弱ってしまうので、できるだけ騎士の近くに登場したいが、そうすると騎士の手番で近寄られて弓で撃たれやすいというジレンマがある。また、「待ち伏せ」タイルの効果を生かすには、そもそもそれなりの強さの部族を“ボード外”に温存しておく必要がある……などなど。私だったら途中で勝利を諦めるレベルw

 洞窟のプレイングの難しさは、そのゴブリンの上をいくだろう。何しろ、まずは大量の洞窟タイルをすべて置ききらないとスタート地点にすら立てないw 洞窟プレイヤーが配置した水晶タイルが公開されると水晶駒が置かれ、それを回収するのが騎士プレイヤーの目的なので、できるだけ行きにくいところに置きたいところだが、これがルールで好き放題には置けないように制限されてる。また、騎士の邪魔ばかりしてるとゴブリンが騎士を殺して勝ってしまうので、どっちが優勢かを常に天秤にかけ、騎士が負けそうならイベントカードやアイテムカードで役に立つものを回してやったりしなきゃならない。こういうの一番苦手だわw

 やはりプレイしやすさもあり、序盤から中盤にかけては私の騎士がブイブイ言わせて、このまま圧勝かと思われたが、その後は慣れてきたゴブリンに連続で攻撃を受け、洞窟による足止め(壁を作ったりできる)を喰らってかなりやばい感じに。それでも水晶を4個まで集めたので、あとは間違いなく水晶タイルがある場所目指して一直線。能力値を移動力に全振りして全力疾走……したら直前に伏せられてたタイルが行き止まりの袋小路だったorz このキーポイントに、かなり前からこの致命的なタイルを伏せておける一味さんには戦慄したねw


 分かりにくいとは思うが、写真上から2段目、表向き(薄い紫色)のタイル3枚のうち中央にあるのが水晶タイル。ここに5個目の水晶を取りに行くため、写真下側からまっすぐ突っ込んだら、その下に袋小路タイル(しかも髑髏マーク付きの「待ち伏せ」タイル)があったときの衝撃をご想像いただけるだろうかw まあ次の手番中に爆弾で吹き飛ばしてまっすぐ進んだけどねw

 この1手番の遅れが勝敗を決めた。私が写真の位置で立ち止まり、次はゴブリンの手番。しかしゴブリンはどうやっても私のヒットポイントを削りきれなかった。大事に取っておいた回復イベントカードを私が使ったからだ。そしてその次の洞窟の手番で、洞窟が端っこから崩れていき、一味さんの手元に5枚目の洞窟タイルが置かれた。洞窟勝ちである。洞窟勝ち……このゲームやってなければ一生口にしない言葉だなw なお、私が直前に使った回復イベントカードも、洞窟プレイヤーである一味さんが選んで私に与えたものだ。騎士もゴブリンも完全に洞窟の手中で暴れてただけw

 こいつはすごいゲームだ。プレイヤーの技量によってはワンサイドゲームになる可能性もあるが、バランス取りに相当時間をかけているように思える。特にいくつかのアクションは、自分の勝利を目指すために実行すると他キャラの勝利も近づくようになってるのが実によくできてる。たとえば騎士が水晶タイルを探すために(またはゴブリンが自分用の暗い通り道を作るために)タイルを置くようなアクションをすると、タイルを置ききりたい洞窟の利益にもなる。また、洞窟はボード上に水晶駒や宝箱駒がたくさんあるほどアクションの選択肢が増えるので、それらを数多く配置したいところだが、そうすれば当然騎士も有利になる……といった具合だ。

 最初に述べたように、全キャラのアクションを把握する必要があるので、いきなり5人プレイは大変だろう。また、さすがに洞窟は立ち位置が特殊すぎるので、人によってはあまり楽しくないかもしれない(5人プレイ時に他の4人に勝たせないようバランスを取るのも難しいだろう)。でも、もし熟練のプレイヤーが4人+洞窟を担当できるくらいの超熟練プレイヤーが1人揃うなら、一度は5人プレイを試してみたい。それは相当面白いだろうと思わせるだけのポテンシャルがあるゲームだ。

 キックスターターでの2版の出資募集もすでに終わっているが、 こちら で予約を受け付けている。2017年8月発送予定で、フィギュアや追加ロール(ゴースト、グール、ナイトメアユニコーン)、プロモカードなども買える。予約と言っても追加の出資募集みたいなものなので自己責任だけど、興味がある方は是非。少なくともこのテーマ好きなら間違いはないよ。


 木駒の抽象度が高すぎるから、おとなしくタイルを土台に差して使うか、フィギュア買った方がいいよ。これ見て「眠ってるドラゴン」とは誰も思わんだろw


●グレートウェスタントレイル

 詳しくはこちら↓
ひだりの灰色:グレート・ウエスタン・トレイル/Great Western Trail

 続いて一味さん持ち込みのこれ。

 もう誰もが知ってる大傑作なんで詳しく書かないけど、まあ傑作ですわ。さすがに「ヴァスト」のインパクトが強すぎてかすんだけど、なんかいいゲーム1つ紹介してくれって言われたら「ヴァスト」よりこっち紹介する。

 流れで技術者を集める方向に行ったが、カウボーイは最低2人、できれば3人以上いないと牛買えないし、職人がいないと建物を増やせないのに対して、技術者はいなくても比較的安価なコストで機関車進められるんだよね。つまり重要度がやや低かった。特に職人がいないと相当きついわw

 この日はセットアップで干ばつタイルがやたら出たため、ここの分岐が事実上1本道になった。この道上の森にかかってるスペースに初手で「森にある自分の建物1枚ごとに2ドル(緑の手つき)」を置いた一味さんが勝った。いや途中のプレイングもうまかったし、いたるさんも追随しての接戦だったけどね。初手でここにこれをノータイムで置ける判断力、そして容赦のなさは見習わないとなw


 我がプレイヤーボード。圧縮大好きなのがバレバレw でも牛が買えないと圧縮しても意味ないのよなー。準備に時間かけすぎて周回数が少ない=人も買えないでダメダメだった。次はうまくやれそうな気がする(やれるとは言ってない)。






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Last updated  2023.08.07 10:56:30
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