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カテゴリ: 博物館・美術館


 原作・脚本・監督:宮崎駿です。

 それが、この 「やどさがし」 です。三鷹の森ジブリ美術館で上映される短編アニメーションの中の一つですね。

 この作品の特色は、
1.マンガのように効果音が文字として画面に現れること
2.セリフがほとんどなく、効果音などがすべて人の声によって行なわれていること

 です。

 しかも、その効果音を担当したのが、なんとタモリさん。いやあ、さすがに上手い。例えば、みなさんも手近なマンガの効果音を、声に出してみてください。これを、「それっぽい音」として表現するのは、かなり高度な技です。



 主人公の声は矢野顕子さん。ジブリ関係と言えば「ホーホケキョ となりの山田くん」の主題歌を歌っていらっしゃいましたね。

 映画の内容は、矢野さん演じる「フキ」が都会を出て新しい家を探す、という話です。自然に帰る、という内容が宮崎監督らしいと言いますか・・・・・


 この映画を見終えた時に脳裏に浮かんだのが、この歌です。

 このたひは ぬさもとりあへす たむけやま もみちのにしき かみのまにまに (菅家)


 百人一首の歌ですね。 

 この上の句にある「ぬさ」がキーです。昔の人は、旅に出るとき「ぬさ(幣)」というものを用意しました。紙や絹の切れ端ですね。

 昔は、新しい土地に足を踏み入れるたびに、その土地に住んでいる神様に対して挨拶をするのです。つまり、「ぬさ」を神様にささげて、どうぞ安全に通してください、と祈るのですね。

 ちなみに、もっと昔になりますと、自分の爪や毛髪の一部を捧げていたそうです。自分の一部を切り離すことで、呪術的な効果を狙ったものなのでしょうが、これが簡略されたのが「ぬさ」です。菅原道真は、あまりにも急に流刑にされてしまったので、「ぬさ」の代わりにモミジの葉を用いた、という歌です。


 この映画で主人公のフキが所々に「ぬさ」を置きながら旅をしているのを見て、私はすっかり嬉しくなってしまいました。

 日本人の旅の原型といいますか、自然への畏敬といいますか。宮崎監督の「つくりたい意志」が、過去の大作からも脈々と繋がっている、いい小品でした。



 こういった短編映画を上映させることで、いつきても必ず「変わったもの」を美術館に用意しています。また製作スタッフも短編映画なので、かなり実験的なものも遊びのものも作れるのですから。

 おそらく、長丁場で10億円単位の制作費がかかっている長編アニメでは、こんなことは出来ないでしょう。が、かといってテレビで披露することもできない。短すぎる上に実験的ですし、テレビの制作費や制作期間などの制限からすれば、作るのは難しそうです。

 その点、ジブリ美術館の「土星座」は、そのすべてを解決してくれる絶好の場所です。

 うーん、面白い。






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Last updated  2006.05.12 00:20:06 コメントを書く


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