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カテゴリ: 博物館・美術館
「相田みつを美術館」は美術館じゃない!

では、何か?
IMGP3440.JPG

私は、ヒーリングスポットだと思いました。

でも、これだけ「美術館」という場所の定義を変えた美術館は今まで見たことがありません。ダテに都心の一等地で15年間も「営業」していません。
こりゃ、脱帽です。都築響一氏がプッシュするわけです。

展示の内容は、文字通り、日本一有名な書家である「人間だもの」でおなじみの、相田みつをの作品を展示してあるわけです。あまり意外性があるわけでもありません。あまりに人口に膾炙しすぎている内容ですし、特別、胸を抉るような感動があるわけでもありません。

でも、お客さんは結構、入っている。

でも、はっきり言ってスゴい。何がスゴいのか?

アーチストの個人名を冠した美術館は、そのアーチストの作品を、どう展示するかしか選択できるオプションはありません。企画展も難しい。もちろん、若手の作品を展示したりもできるでしょうけど、「相田みつをの作品を展示する」ための美術館である以上、非常に難しい。



作品は限定されるけれども、飽きられない工夫をする余地は少ない。

この条件をうまく回避してビジネスモデルを作るために、「美術館」というよりも、「都会に住んでいる人の癒しスポット」と「観光スポット」の両方の要素をうまく取り込んでいくことで入館者を確保しているように見えました。


「ヒーリングスポット」として都会のリピーターが増えれば増えるほど、新規の設備投資はかかりません。

居心地がよく、ときどき楽しめるような変化さえつければいいんですから。なので、「相田みつを」の作品が増えない分は、プロジェクターを使った「インタラクティブアート」を展示したり、休憩したりできるスペース、リーズナブルな価格帯のカフェを用意しています。


ぶっちゃけ、相田みつをの作品を見ても、あまり感慨は受けなかったです。
ですが、時々、ドキッとするような事が書いてある。素直な心が、そのままゴロっと置かれている。

そこが、悩み多き都会人の琴線に触れるのではないかと思うのです。

また、もう一つのセグメントの観光客。
有楽町の国際フォーラムで開かれる各種のイベントで集まってくる人たちの「ついで」も見込めますし、銀座観光のついでにも寄れる抜群の立地。そして相田みつをの知名度。

彼らに対してはミュージアムショップを充実させておくことで、顧客単価を上げ、ビジネスに繋げているように思います(そこでおみやげを買って貰って、地元で配ってもらえれば、さらなる宣伝効果も期待できるでしょう)

これは面白い。




私が知らなかったのは、相田みつをが、かなり熱心な仏教徒だったこと。
彼の書のベースには、仏教の影響があったのですね。展示で知りました。

おそらく、それも不思議なヒーリング効果の秘密なんじゃないかな、と思います。

美術品としての力や価値では、どうしても大画家の作品には劣ります。ただ、気構えなく、老若男女、誰でも見られる間口の広さはある。

そうした展示作品の内容を生かしながら、コレクションをすでに保有しており新規投資が少ない分を立地に充てて集客する。



これは、かなり恐ろしいスポットです。

ビジネスとして見ても、けっこう学ぶべきところのある美術館でした。






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Last updated  2011.08.05 00:24:03
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