クックの部屋

クックの部屋

大物になる本




これも父の本棚から見付けた本で、私が読んだのは三笠書房の文庫本。

織田大蔵という福島の貧乏人の息子として生まれ、東北一のバス会社「福島交通」の社長として君臨し所得番付で東北一を競った凄い人。
ただ地元では評判が悪く、奇人・変人と思われていたらしいがよく知らない。

「金を持たない奴に金持ちの気持ちがわかるか」「清貧に甘んじるとは弱者のたわごと」「金の亡者に徹せ」「成金に使われていて成金の悪口を言うな」「経済学などクソくらえ」「女のバカはどうしようもない」「事業家になるには酒と女を覚えよ」「ヘソ下は人格が無い」
等という教育委員会に訴えられそうなとんでもない発言と説明が書いてあるのだが、全部納得できるわけではないがまあ良くここまで言えると思う。

だが今まで考えてもいなかった内容が沢山あり、三菱自動車の当時の社長が家に来た時に純金の茶釜で湯を沸かし、純金の急須で、純金の茶碗に最高級のお茶を出して歓迎したらびっくりして「どういう趣味ですか」と聞かれたので「俺は成金趣味だよ」と言ったら笑われたらしい。

成金とは中傷で普段使われるがそれは金持ちになれなかった奴が付けた「贈り名」で本来成功したお金持ち様という意味で立派な事であり、天下の三菱といえども元はといえば岩崎弥太郎が一代で財をつくったもので当時の成金ではないか。

ナショナル、ソニー、ホンダにしろ昭和の成金で、一代で成功した奴を成金というのだ。
君はその成金から給料をもらっているではないか、成金さまさまではないか。
成金に使われていて成金を笑うなどこんな失礼な話は無いと言ったらしい。

おまけに「君らも成金をバカにしてはダメだぞ。成金になれるように努力したまえ」と書いてある。

まあ私はしょせん大物ではない。


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