クックの部屋

クックの部屋

料理長が変った




3人入った中途調理師は結局全員辞めた。
1人は早かった。後の2人は結構持ったが、1人は2番手の人にいじめられて辞めた。
この人は洋食から来た人で40過ぎの人だが要領が悪く、気も弱く、何度かこの人に八つ当たりされた事があるが何もいわなかった。
10年以上の経験があったが、新幹線ビッフェとステーキファミリーレストランの経験しかなく、あまり通用しなかったというところだ。
ただ、いじめられた理由はそれだけではない。給料があまり変らないということもあったらしい。

もう一人も洋食から来た人だがこの人はその後、独立して店を開いたので、前向きだ。
最初から独立を視野に入れて和食を勉強するために入ってきたのだ。
ただこの人もよく怒られていた。

そのうちまた料理長が変ることになった。2番手の人は意気洋々だった。
「俺の上に来たヤツの言う事を聞くつもりはない」と言い張っていた。

だがしかし、強烈な料理長が来る事になってしまったのだ。

このグループ1と言われる、一見ヤクザと思うような人だ。
この人の怒り方は普通ではなく、特に忙しい時はだれかれ構わずという感じ。
私もこの人が就任した日に、えらく怒られた。
また、料理内容も、やり方も、業者も大幅に変った。
この料理長は細かい所まで口出しする人で、魚の串の刺し方で文句を言われた。
前の料理長に習ったやり方のほうが、綺麗に見えるのでそれでやったのが気に入らないらしい。
「俺が料理長だから俺の言う通りにやってくれ、イヤなら辞めてくれ」と言われたので辞めようかと思ったが、この時も時給が100円上がったところだったので、時期を見て辞めようと思ったのだ。
金に弱い自分が情けないが。

この人と同時に新人が2人入ってきた。この世界では「ぼんちゃん」と言われる。
そのうちの1人はいじめられて辞めてしまった。
もう一人は私が辞めるまでいたが要領が良く、うまく逃げていたが、やはり怒られる。
この料理長も私が行くと機嫌が良くなり、いろいろ話し掛けてくる。
新人や他の人から「あなたが来ると機嫌が良くなるので早めに来てくれ」と裏で言われていた。

この人は最初の料理長をかわいがったが、2番手の人には冷たかった。
立場が逆転したのだ。
最初の料理長は決して仕事が出来なかったわけではない。やり方に手間取っただけだ。
最終的に2番手の人は他に応援に出されたまま帰って来なかった。
5年前に当時のアルバイト仲間の結婚式のついでに久しぶりにその店に行ったら、何故かその2番の人が応援に来ていた。
挨拶しに行ったら喜んでくれて、いろいろ出してくれた。
当時の店の主任さん(女性)も結婚式に来ていて、連れていってくれたのだ。
いろいろ話を聞くと2番の人は店をコロコロ変えられて転々としているらしい。
もう料理長になっていないといけない年だが、いまだになれず、今後もなれそうに無いとの事
悲しいがこれが現実だ。



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: