8月13日。 お盆のこの日には、ご先祖さまを家にお迎えし、15日にお送りするのだと、私は生家で教えられておりました。仏壇は飾られ、ご先祖さまがおいでになるうちは、お膳が供えられます。小さな足つきのお膳にミニチュア食器がおままごとのようですが、きちんとした塗りの揃えで、ご飯とお汁を含め5種類くらいの食事が仏前に並べられます。

夜は、お墓参り。 どう考えてみても、ご先祖様の姿はおろか気配も感じられないのに、お寺についていくと、大人たちはうやうやしくお寺さまとあいさつをとりかわし、頭をさげています。
お寺もこの日はお線香が香りたち、‘いつもは寝ている子が起きている’とでも言いたくなるような精気と、ろうそくの灯などの夏の夜の光にあふれています。
あい間に、「やれ、暑い暑い」とか「それでも夕風が吹いてきたでしょうかねえ」などとさわりのない、でもそれがないとどうも…みたいなコミュニケーションが必ずあって。こういうもんかと黙って人々の所作をながめつつ居たような気がします。
大人たちがご先祖さまのことを口にするやり方は、かなり控えめでした。だというのに、あれこれお盆の準備にいそしむ様子は「ああ、たいへん」「大忙しだ」といわんばかり。―――長い間に、そんなあんばいにして、目に見えないものを大切にすることの必然性を、どこかからだにしみこむように理解するようになってきたものでしょうか・・・?
今年も13日の夜はお墓参り。
生まれてこの方、欠かしたことはありません。

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