耳をすまして

耳をすまして

◆AED 除細動器

AED 除細動器


突然隣に座っていたひとが、心停止で倒れたら、どうしますか?

何もできずにおろおろしているだけでしょうか。
周りに助けを求めるでしょうか。
運転免許を取るときに習った人工呼吸と心臓マッサージの記憶を 引っ張り出しながら、みようみまねでやってみるでしょうか。


心停止の原因は様々ですが、特に突然の心停止では「心室細動」などの 重症な不整脈 が原因であることが考えられます。
このような重症不整脈に対して、

「心臓に電気ショックを与え、 心臓が本来持っているリズムに回復させる」 ことを

「除細動」といいます。「除細動」を手軽に行うことができる小型機器が 「自動体外式除細動器」 つまり、

AED (Automated External Defibrillator)」です。

平成16年7月1日から 一般市民 にもこのAEDの使用が認められることとなりました。






一般市民に使用が認められることになったことで、何が大きく変わるのでしょうか。
それは、「突然の心停止」による死亡を食い止めることができる可能性が大きく広がることです。

心停止から除細動までの時間と生存率の関係:
1分経過する毎に、7~10%生存率が低下 します。つまり、
2分後には75% ある生存率は、
10分後には0% になります。

できるかぎり早く除細動を行うことが、傷病者の生死を決めます。
そして、その 傷病者の生死を左右するバイスタンダー(その付近に居合わせた人)にはいつ誰がなるかわかりません






実際に自分がAEDを使うことになった場合、使うことに対して様々な不安が出てくるかもしれません。
私がこれをやってしまったばっかりに、この人が死んでしまったり、
命が助かっても障害が残ってしまったり、、、と不安に思う方も多いはずです。

消防局の方のお話では、

「AEDを使ってもそのときの心電図(心臓のリズムをグラフにしたもの)等の記録は一切残りません (※1)
必要なとき、とにかくAEDを使ってもらいたいのです。
躊躇している間に目の前の人の生存率はどんどん下がっていきます。
後で責められることはありません。とにかく、勇気をもってやってみてください
それで目の前の人の命が救われるのです。」

とのことでした。

(※1)救急車の中で専門家が使うものは、記録が残るようです。
一般の方のものは、残らないので、後々、心電図を見て、このときAEDを使うのはまずかった・・・という話になるようなことは
絶対にないとのことでした。






一般市民にAEDの使用が許可されても、 必要なときその場にAEDがなければ意味がありません。
そこで、AEDを街のいろんなところに設置して行こうという動きがあります。
空港や大きい病院には置かれているようです。
救命授業の先生が「将来的にはコンビニに置かれるようになるといいんですが。」といわれていました。

たしかに、今の日本で一番街中に普及されている建物といえば、コンビニかもしれません。
「うちのコンビにはAED設置普及にがんばっています!」 とPRにもなると思うのですが。
コンビニさん、是非がんばってみてほしいものです。
ちなみに、1台30万円ほどだそうです。

コンビニが無いような田舎の地域では、特に高齢者が多い可能性が高いので、
診療所や公民館、役場に設置するようにしたいものです。

どの道、自分の家の近くではどこにAEDがあるかは確認しておきたいですね。





以上は、私が看護学校の授業の中で受けた上級救命講習やその他救命の授業からの知識です。
より、詳しく知りたい方、もっとわかりやすく理解したい方は以下をご参照ください。


AEDを利用した救命手当ての流れ ・・・東京消防庁のページ。絵で解説され、わかりやすいです。AEDだけでなく、
人工呼吸や心臓マッサージについても解説も入っています。 ぜひ、一度目を通して、救命手当ての流れを再確認してください。

◆AEDの一般市民の使用が許可されても、AEDが街の中になければ、意味がありません。
AEDを普及させようと活動されているHPです。
AED2

◆「心室細動」で最愛の娘さんを失ったさくらさんのサイト。
AEDバナー

◆参考文献: 「身につけよう応急手当 AEDテキスト」財団法人東京救急協会



© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: