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夜空に、静かに灯る星があります。
薄暗い赤い点として現れ、じわじわと輝きを増し、そして一時間も経たぬうちに、何の前触れもなく消えてしまいます。
望遠鏡ではなく、古い写真乾板の上に刻まれた、その痕跡を知っていますか?
ストックホルム大学のベアトリス・ヴィジャロエル博士が率いるVASCO(Vanishing & Appearing Sources during a Century of Observations)プロジェクトは、過去一世紀にわたる天文観測記録を丁寧に掘り起こしていました。
そこで見つかったのは、十万件を超える
「一度現れて消えた光点」
です。
「ブラックホールに直接衝突でもしない限り、星が物理的に消滅するプロセスは知られていない」
——ヴィジャロエル博士ら、論文より
研究チームが特に注目しているのは、1952年7月19日の記録です。
パロマー天文台の観測プレートには、互いに10角秒以内という近距離に三つの光点が写り込んでいました。
しかし一時間後、それらは跡形もなく姿を消えてしまいます。
超新星でも、変光星でもありません。
では、何だったのでしょうか。

2025年に発表された最新論文は、さらに衝撃的な仮説を提示しました。
研究チームによれば、これまで検証されたすべての自然現象仮説——大気の揺らぎ、写真乾板の劣化、既知の天体現象——では説明がつかないとのことです。
そして七つの独立した観測事実を同時に満たす仮説は、ただひとつだけ残りました。
スプートニク(1957年にソ連が打ち上げた世界初の人工衛星(1号))以前の、人工物体。
1957年にソビエト連邦が初の人工衛星を打ち上げるより以前、高高度軌道上に何らかの「平坦で反射率の高い物体」が存在していた可能性。
それが、現時点での最有力仮説です。
「丸い小惑星や塵の粒子なら、長時間露光で縞模様になります。短い閃光を残すのは、非常に平らなものだけです」
とヴィジャロエル博士は発言されました。
誰が打ち上げたのでしょうか。
どこから来たのでしょうか。
そもそも「打ち上げた」存在がいるのかどうかさえ、まだわかっていません。
けれども夜空を見上げるとき、かつてそこに何かが光っていたという事実は、もう消すことができません。
宇宙は答えを急ぎません。
私達も、ただ静かに次のロマンを待っていましょう。