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2011.02.18
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カテゴリ: 乙女部
前回は素材と格、の関係について、でしたが、今回は柄付けと格、についてお話ししますね。
ここで取り上げるのは、素材で言えば絹、もしくは絹に似せた化繊、と考えてください。
心配しなくてもウールや木綿はお出かけ着以上になりませんので。

で、こういう話をすると、洋服で言えば何に当たりますか?っていう話になるんだけど、敢えてそういう風には話しません。
洋服のドレスコードって正確に知ってますか?
私は知りません。
シルクのワンピースとか、持ってますか?
私は持ってません。
その上着物自体がもうハレの日のもの、特別な衣類、という感覚になってきてたりするので、もう洋服に例えるとこんがらがること限りなし。

更に言うなら、ここで書くのは女性の着物について、です。
男性の着物については割愛します。

さて、今回のポイント4点を先に挙げておきましょう。

1、縫い目をまたいで柄がつながっている着物の方が格が高い。
2、紋(家紋:各家に固有のマーク)の数が多い方が格が高い。
紋の数は1(背中)・3(背中+両袖裏)・5(背中+両袖裏+両胸)。
3、柄は古典柄(昔から伝統的に使われている模様)の方が格が高い。
4、値段が高い着物=格が高い着物、ではない。

個別に着物の特徴を挙げる前に、それぞれの着物の位置づけを見ておきましょう。礼装と正装の違いーとか、細かいこと書いたらどこまでも書けますが、ここではごく基本的なところだけを書きます。

A 第一礼装(要は一番格上):振袖(未婚女性)・留袖(既婚女性)・黒の色無地(五つ紋付きで喪の第一礼装)

B 第二礼装(Aについで格が高い。準礼装とも):訪問着(紋付き)、色無地(三つ紋or五つ紋 紋付き訪問着より格上)



D 普段着~お出かけ着:紬・小紋・色無地(紋無し)・江戸小紋(紋無し、もしくは三役や五役と呼ばれる柄以外のもの)

では個別の特徴を話しますね。フォーマルから行くよー。

○振袖
■柄付け:全体で一枚の絵になるものが多い。袖だけに模様のあるもの、無地のものもあり。

■用途例:

・大学・専門学校等の卒業式
・パーティー
・気合いの入った新年のお出かけ。
・お見合い、結納
・自分の結婚式の衣装

■柄以外の特徴:袖が長い。未婚者が着る。紋は最近は付けない。

着物と言えば浴衣かコレかって言うくらいメジャーですね。
袖の長さによって三種類に分けられます。

大振袖(本振袖)・・・約115cm、三尺三寸
中振袖・・・約105cm、二尺八寸
小振袖・・・約85cm、二尺三寸

格は袖が長いほど上になります。
現在売られている普段着用の着物の袖丈は通常約49cmですから、小振袖でも随分長いね。
乱暴な話ですが、未婚の間はとりあえずコレ着とけば?っていうくらい、フォーマルな場面では大活躍よ!(勿論お葬式は無理です。)


○黒留袖
■柄付け:裾に絵羽模様(縫い目をまたいで柄が途切れない模様)

■用途例:
・自分の子ども、兄弟(義理の兄弟も含む)・親族(地方によって着たり着なかったり)の結婚式・披露宴への出席
・仲人としての結婚式・披露宴への出席。
・邦楽関連の発表会(で着る場合もあるみたい。)

■柄以外の特徴:既婚者が着る。五つ紋付き。比翼(ひよく)と呼ばれる重ね着をしているように見せかける布がついてます。


結婚式の新郎新婦のお母さんが着てるあれね。
既婚者の服装としては一番格が高いです。
裾だけに模様が入るので、上半身は紋だけしか模様は無し。紋を五つ白く染め抜いて入れます。


○色留袖

■柄付け:黒留め袖と一緒。

■用途例:
☆五つ紋のもの:
・兄弟(義理の兄弟も含む)・親族(地方によって着たり着なかったり)の結婚式、披露宴への出席
・宮中への参内、叙勲式

☆一つ紋・三つ紋のもの:
・主賓としての結婚式、披露宴への参加
・格のある茶会、祝賀会、パーティ
・宮中園遊会

■柄以外の特徴:既婚者、場合によっては未婚者が着る。
紋の数は五つで黒留め袖と同格。
一つ紋・三つ紋だとそれよりやや落ちるが訪問着よりは格上。
比翼あり。

これは、持ってなくても困らない着物選手権を開いたら三位までの入賞間違いなし、という類のモノです。(なぜか親が作ってくれて持ってるけど、何回着るかなぁ;)
宮中?と思ったかも知れませんが、これには事情が。
黒って、宮中では喪の色として忌まれているのです。
だから皇族は黒紋付きはお召しになりませんし、万が一宮中に参内!なんてことになったらば五つ紋の色留め袖、が通例のようです。


○訪問着
■柄付け:帯の上にも帯の下にも絵羽模様。裾・肩・袖に模様がある場合が多い。

■用途例:
・(親族)・友人の結婚式・披露宴への出席
・大学・専門学校等の卒業式
・パーティー
・気合いの入った新年のお出かけ。
・お見合い、結納
・お茶席
・子どもの行事の付き添い

■柄以外の特徴:既婚者になってから着る機会が多いが、未婚者でも着られます。柄によっては結婚式等に向きません。
最近は紋は入れません。格は留袖、大振袖よりも下。
八掛が共八掛(ともはっかけ。裾の所の裏地が表地と同じということ。)

☆色留袖との大まかな見分け方…帯より上に柄があれば訪問着。無ければ色留め袖。

○付け下げ
■柄付け:袖・肩・裾に模様があり、その模様の上下方向が一定。縫い目をまたぐと柄が途切れる場合がある。
訪問着よりやや控えめな柄が多い。

■用途例:柄にもよるが現在ではほとんど訪問着と同じ。

■柄以外の特徴:訪問着より格は下。しかし、古典柄の付け下げとモダンな訪問着では古典柄の付け下げの方がフォーマル向け、と考えられたりも。。
八掛が共八掛ではない。

☆訪問着との大まかな見分け方…縫い目をまたいで柄が切れていなければ訪問着、切れていたら付け下げ。八掛が共八掛なら訪問着、違えば付け下げ。


訪問着・付け下げは20代半ばになってからは便利な着物になります。
同年代のお友達の結婚式や披露宴、場合によっては結婚式の二次会なんかにもOK。
着付けも留袖や振袖に比べると簡単ですしね。
敢えて難点を挙げるなら、あまりダークな色やモダンすぎる柄を選ぶと晴れ着のはずが玄人さん(要はホステスさんね)のお仕事着に見えてしまうことかなぁ。
パステルカラーの地に四季の花やら古典柄やら描いてあるのが無難です。

○色無地
■柄付け:名前の通り後から染めたり描いたりする柄はありません。ただし、グラデーションのように染め分けることはあります。
あと、生地自体に織り込まれた模様(地紋)がある場合はあります。

■用途例:
☆紋付きの場合:訪問着とほとんど同じ。特にお茶席では大活躍。
黒の五つ紋付きは一番格の高い喪服になる(地方によっては白喪服もあります)。寒色系の紋付きを黒の帯と合わせて喪服として用いることも可能。
☆紋無しの場合:小紋とほとんど同じ。

■柄以外の特徴:紋の数によって小紋と同格~訪問着より格上にもなるカバー範囲の広い着物。柄がないので帯あわせの選択肢が広いことから、紋無しもしくは洒落紋を入れてお出かけ着としても人気です。

一昔前は紫色の一つ紋の色無地は嫁入り道具に必須!と言われたもんだそうです。
確かに紫なら帯を変えたら冠婚葬祭オールOKなのです。理論上は。
でもねー、喪の席で和装するのって、よほど血縁の濃い人でしょう?
そんな人たちはだいたい黒の紋付き色無地着るんだよね。
逆に結婚式。帯を相当華やかにしないと、寂しいよねぇ。
万能選手のようで意外に難しい着物なのでした。

お茶を習ってる人にとっては必要。水気を気にしなくて良いので、シルックなどの高級化繊の色無地も人気とか。

紋を入れないで着るなら面白い街着になりますね。
もっと上級者になると、洒落紋(自分の家紋とは別に、もしくは自分の家紋を変形させてお洒落目的で入れる紋。要はワンポイントね。)を入れて楽しむ人も。

○江戸小紋
■柄付け:全体に細かい点描状の模様。遠目に見たら無地に見えるものもある。

■用途例:
☆三役(鮫・行儀・角通し)・五役(三役+大小あられ・万筋などの縞)に紋付きの場合:色無地とほとんど同じ。

☆それ以外の場合:小紋と同じ。(後で書きます。)

■柄付け以外の特徴:三役・五役に関しては模様が細かいほど格が上がるとされます。サクラや梅などの花を描いたモノでも、季節を問わず着られます。

これも最近人気ですねー。
柄によってはちょっとお出かけからフォーマルまで大活躍の優れもの。
色無地よりも遊び心があって、普通の小紋よりもシック、という素敵な着物です。

○小紋
■柄付け:全体に同じパターンの模様の反復。柄の上下が方向がひっくり返ることも。縫い目をまたぐと柄が途切れる。

■用途例:
・観劇
・外食
・デート
・カジュアルな結婚式の二次会
・初詣
・同窓会

■柄付け以外の特徴
八掛は別布。

○紬
■柄付け:先に糸を染め、それを織ることで模様が織り出されていることが多い。モノによっては訪問着のような絵羽模様になっていたりする。

■用途例:
・観劇
・食事
・デート
・普段着
・初詣
・同窓会
・飲み会

■柄付け以外の特徴
八掛は基本的に別布。

小紋、紬はちょっとおでかけー、という時に着る、と考えておけばそう大きく間違いではないです。
小紋は柄によって格が上下します。
古典柄だと格が上がります。
縞や格子はかつて労働着に多く用いられた柄、というような来歴もあり、非常にカジュアルなものです。

余談ですが、小紋を「結婚式に着ていけますよー」というセールストークで売ろうとする着物やさんがいますが、まぁ着て行くこと無いので乗らん方が良いです。
私はよりによって縞の紬を二次会行けますよーって言われて親に買ってもらったことがありますが、1回も着て行ってません。ちなみに、持ってる着物の中では一番高価です;
高いからって格が上じゃない、の一つの例です。

あぁ、長かった…。
って私が思うってことは乙女部員の皆様も思うことでせう。
百聞は一見にしかずって言うとおり、あるモノは見せた方が早いと思うのでうちに来たときありったけ見せるわー;
質問はコメント欄によろしく!!







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Last updated  2011.02.18 23:54:11
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