くれーじーくえいる ぶろぐ

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2007.08.23
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 本日1500、神奈川県横浜市のIHIマリンユナイテッド横浜工場にて建造中の海上自衛隊向け 13,500t型ヘリコプター護衛艦 DDH181『ひゅうが』 と決定しました。

 元々、海上自衛隊は創設時から哨戒ヘリコプターによる対潜作戦を行うための空母型艦船の導入を構想しており、1958~61年の第1次防衛力整備計画ではアメリカ海軍から余剰の軽空母の譲渡を受ける計画があったが断念、続く1962~66年の第2次防衛力整備計画でもヘリコプター母艦(CVH)の建造を計画したものの、莫大な建造・運用コストの問題や60年安保等の政局の混迷の影響でこれも断念。その後も1980年代にヘリコプター母艦や軽空母の導入構想が持ち上がったものの、1988年4月6日の参議院予算委員会で当時の瓦力防衛庁長官の発言として『ICBM、長距離核戦略爆撃機……長距離戦略爆撃機、あるいは攻撃型空母を自衛隊が保有することは許されない』という公的な見解が出されたこともあり、海自における空母型艦船の保有構想は出ては消えを繰り返してきました。
 海自はその代替策として、3次防および4次防において哨戒ヘリコプター3機を搭載するヘリコプター護衛艦(DDH)を建造することにし、はるな型およびしらね型DDHが各2隻ずつ建造されて4個護衛隊群にそれぞれ1隻ずつ直轄艦として配備されました。はるな型/しらね型DDHは駆逐艦クラスでありながらH-3系やH-60系クラスの大型哨戒ヘリコプターを3機搭載するという世界的にも例のない艦となりましたが、実際のヘリの発着艦は1機ずつしか行えないなどヘリコプター母艦としての能力には限界があり、空母型艦船が導入できないための苦肉の策であったことは否めません。それでも、はるな型/しらね型は近代化改装等を行いながら30年近くに渡って各護衛隊群の事実上の旗艦としての役割を担ってきました。
 そんな中、はるな型の老朽化に伴い、2000年に後継となる基準排水量13,500tの次期ヘリコプター護衛艦の検討が開始され、最終的に空母型艦船となることが明らかになりました。かつての軽空母保有論議の時代とは社会情勢や国際情勢が大きく変化したためか、この新型護衛艦は大きな政治的議論に発展することもなく予算化が進み、今回のひゅうが型ヘリコプター護衛艦の登場と相成りました。これにより、海上自衛隊創設以来の悲願であった事実上の空母型ヘリコプター母艦の導入がようやく実現したわけです。

 ・・・そういえば、7月初旬に上京した際、ついでに横浜に出向いて16DDHの建造状況を外から見てやろうと思ってたのにすっかり忘れてましたよ(笑)
 船体の完成が間近となり、Web等で艦名がどうなるか等が注目されていた13,500t型DDH。今回の進水式には約4,000人もの見学者が集まったそうで、巷の関心の高さが窺えます。メディアでの報道が気になってましたが、話題の出来事が多すぎてニュースでの取り上げはさほどでもなかったようです。
 ましゅう型補給艦と並ぶ海自最大の艦艇にして、海自ではおおすみ型輸送艦に続いて2例目、水上戦闘艦としては初めての全通式甲板を採用した空母型艦艇と色々注目点の多いひゅうが型DDHですが、やはり一番の注目は艦名。従来のDDHと同じく山岳名で旧日本海軍の空母の名前としても知られる『赤城』『天城』辺りになるのかと思いきや、海自では初めて地方名(旧国名)を冠する艦となりました。『ひゅうが』(日向)は現在の宮崎県の旧国名で、海上自衛隊の艦艇で地方名(旧国名)が艦名に採用されるのはこれが初です。最近、そのまんま東こと東国原英夫氏が県知事に就任して以来人気急上昇中の宮崎県ですが、まさか宮崎県人気にあやかった命名でもあるまい(爆)

 この調子だと2番艦は『いせ』(伊勢)になるのかと想像たくましくなりますが、あたご型DDGの2番艦が『あしがら』だったように、こちらの予想の斜め上を行く艦名になる可能性も高そうです(笑)
 あと、予想外だったのは艦番号。先のDDHを引き継いでDDH145になるかと思いきや、新たに180番台が付けられることになりました。この辺も海自がひゅうが型を従来の護衛艦とは異なる位置付けとしていることが窺えそうです。しかし、そうなると次に控えている5,000t型汎用護衛艦の艦名および艦番号は果たしてどうなるやら・・・

 それにしても、かつての旧日本海軍の軽空母や商船改造空母、現在の各国の軽空母と比較すると、ひゅうが型DDHのスケールのデカさは一目瞭然です。

・ひゅうが型  基準排水量13,500t(満載18,000tと推定)/全長197m/全幅33m/乗員350~490名
・龍驤  公試排水量12,732t/全長180m/全幅20.78m/乗員924名
・祥鳳型  基準排水量11,200t(公試13,100t)/全長205.5m/全幅(水線幅)18m/乗員785名
・大鷹型  基準排水量17,830t(公試20,000t)/全長180.24m/全幅22.5m/乗員747名
・龍鳳  基準排水量13,360t(公試15,300t)/全長215.65m/全幅(水線幅)19.58m/乗員785名
・千歳型  基準排水量11,190t(公試13,600t)/全長(水線長)185.93m/全幅20.8m/乗員967名
・海鷹  基準排水量13,600t(公試16,700t)/全長166.55m/全幅21.9m/乗員587名
・神鷹  基準排水量17,500t(公試20,900t)/全長198m/全幅25.6m/乗員834名

・プリンシペ・デ・アストゥリアス(スペイン) 満載排水量17,190t/全長196m/全幅32m/乗員605名
・チャクリ・ナルエベト(タイ) 満載排水量11,485t/全長182.6m/全幅22.5m/乗員601名

 管理人が注目しているのはひゅうが型の乗員数。かつて海自が軽空母の保有を検討しながら実現しなかった理由の一つに、運用に予算や人員を食うというのがありましたが、旧海軍の軽空母や商船改造空母、現在の各国の軽空母の乗員数が概ね600~900名前後なのに対し、ひゅうが型の乗員数は350~490名と半分程度になっています。ひゅうが型の乗員数は当初約350名と発表されており、頭数では現在のはるな型の乗員数をほぼそっくり引き受けられますが、今回新たに発表された490名という数は航空科要員や司令部要員を含めた数となるのでしょうか。最近の海自の艦艇は自動化・省力化を進めており、デカさの割りに乗員数は減る傾向にありますが、ひゅうが型のガタイの割りに少ない乗員数もこうした自動化・省力化の賜物なのでしょう。
 気の早い艦艇ファンの中には 「次こそ海自に正規空母を!」 と吠えてる向きもあるようですが(苦笑)、管理人の私見としては現状の海自が固定翼機を運用する正規空母を持てるような余力はなく、その必要性もないと考えているので、ひゅうが型は現状の海自の身の丈に合った艦のように思えます。


 いずれにせよ、海自の次世代のフラッグシップとなるひゅうが型DDH、早く実艦を見たいものです。





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Last updated  2007.08.24 19:59:13 コメント(3) | コメントを書く


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