■BCGのコンサルタントである本島康史氏の書いた「金融業の収益力を鍛える」という本には、10個の発想法が掲載されている。この本をネタにしたBBT757のCS放送もスタートした。大変興味深い。
■金融業と限定しながらも、発想そのものは、すべての事業に応用できるものである。
■第1の型は「ホワイト・スペース」
つまり、過当競争の飽和市場を捨てて、新たな市場を創造しようという発想である。
■どこかで聞いたことあるなと思っていたら、これは「ブルーオーシャン戦略」と同じである。あれはたいそうな書き方をする本だったが、こちらは割りとあっさりと提示されている。
■現在、殆ど全ての市場が飽和している。これは間違いない。今から、成長市場を探そうというのは、宝くじに当たろうとするぐらい難しい。だから、売れない市場で、覚悟を決めてたたかおうというのが、私の考え方である。
ただ、目が血走らせて、正面突破ばかりしていると、こちらの被害も大きくなる。体力に乏しい小さな企業は、もたないかもしれない。
だから、ちょっと視点を変えて、差別化を志向するのである。
■ホワイト・スペースとは、字の如く、未開拓の土地のこと。視点を変え、発想を変えることで、割と簡単に見つかる。
■発想のコツの1つは「用途」にこだわること。つまり、顧客の視点に張り付くのである。
例えば(本に載っている事例)プロセスチーズの業績が落ちているらしい。全体で見たら、落ちているとしかわからないが、細かな用途を見ていくと、様々な状況がわかる。
ハンバーガーやサンドイッチによく使用されているのがプロセスチーズである。卵料理にも使われている。
ところが、イタリア料理、メキシコ料理、ピザなどには、ナチュラルチーズばかり使われている。
これはどういうことだろう。使われないのには、意味があるものだが、そこで留まっていたのでは、新たな発想は生まれない。
■ここで発想の第2のコツ「拒否する理由を知る」ことである。
もちろん、プロセスチーズにもナチュラルチーズにも、利点があり弱点がある。だから使い分けされているのだが、ここで顧客が拒否する理由を正確に理解し、取り除くことができれば、顧客としては拒否できなくなる。
こういう発想は「売りたい売りたい売りたい」と思っていてはできないだろう。当たり前のことだが、「ほしいものは何ですか」と顧客に聞くことである。
あるメーカーは、それを調査して、イタリア料理、メキシコ料理、ピザに合うプロセスチーズというものを開発し、売上を倍増させたらしい。
■考えてみれば、マーケティングの基本事例なのだが、この発想ができている企業が少ないのはどういうことだろう?
企業は自分の商品が「なぜ使われているか」「どこが好きか」に敏感であるが、「なぜ使わないか」「なぜ嫌いなのか」には無頓着である場合が多い。
既存顧客こそ大事、嫌いな人はほっとこう、というのもいいが、「使わない」顧客こそ、ホワイト・スペースの住民なのである。
企画部の「そんなのどの企業もやってないよ」とか「顧客のわがままばかり聞いてられないよ」という考えはもったいないと思うのですが、いかがでしょう。
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