わたしは価値を創る

わたしは価値を創る

August 7, 2006
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カテゴリ: 仕事以外の日記
■亀田の件で日本中が騒いでおりますね。私自身はその試合を見ていないのでノーコメントですが、違うボクサーの話をしたいと思います。

私が生まれた1964年に世界チャンピオンとなった男の話です。

■彼の名前はカシアス・クレイ。アフリカ系アメリカ人。ローマオリンピックのライトヘビー級金メダリスト。22歳。初めてのヘビー級チャンピオンへの挑戦でした。

■彼は変な挑戦者でした。

何が変かというと、これから対戦するチャンピオンのことを罵ってばかり。とにかくよく喋る。

果たしてこれがボクサーかというぐらい喋る喋る。マシンガントークとは彼のためにある言葉かと思えるぐらいです。今で言うと、エディ・マーフィも真っ青というところでしょうか。

頭がよく機転がきき、悪口の内容も比喩が豊富で面白い。しかもなかなかのハンサム。これをメディアが放っておくはずはありません。

連日、彼の言動が新聞やテレビで取り上げられ、ボクシングの試合とは思えないほど、世間の注目が集まったといいます。

■その時のチャンピオンが、ソニー・リストン。刑務所でボクシングを覚えたという強面です。



クレイの連日の挑発に苦笑いしながらも、2ラウンドKOを予告しました。

■試合が近づくにつれて、盛り上がりを見せる報道合戦。

クレイの悪口のレパートリーも衰えるところを知りません。

しかし、大方の予想は、リストンのKO勝ちというものでした。メディアの論調では、パンチ力のないクレイに、リストンは倒せないらしい。

つまり、メディアは、クレイのビッグマウス(大法螺)を面白おかしく囃し立てながらも、最後に強い王者に無残に倒されてしまう姿を見せようとする意地悪な意図を持っているようでした。

いずれにしろ、ボクシングの試合がエンターテイメントとして、これほどの盛り上がりを見せることはかつてありませんでした。

■いかがでしょうか。なんだか、亀田騒ぎに似てませんか?

■試合は1964年2月25日。

ゴングが鳴らされた途端、展開された信じられない光景に、観客は息を呑みます。

■リストンのボクシングが全く通用しないのです。

彼の自慢の強打は空を斬るばかりで、1発も当てることができません。力をこめたパンチを空振りするたびに、2発3発と鋭い左ジャブを当てられ、みるみる顔が腫れ上がっていくのが分かります。



クレイは「バンタム級のスピードを持つヘビー級ボクサー」でした。まるで闘牛士が鈍牛をからかうように軽快なステップでリングを駆け回り、パンチを繰り出します。リストンは動きに追いつくことさえできません。勝負にならないほどの圧倒的なスピードの差です。

「蝶のように舞い、蜂のように刺す」自画自賛した通りのスタイルが、タイトルマッチで現実に展開されたのです。

■回を追うごとに、リストンに勝ち目が無いことが歴然としてきました。

クレイはパンチを当て続け、その上、それ以上の勢いで、リストンを罵り続けました。マシンガントークは、試合前だけではなく、試合中もだったのです。

呆れるほどの余裕とスタミナですね。



そこで「ビックマウス」の勢いが頂点に(笑)

「リストンが勝つと言ったプレスはどこだ!?」「おまえ等の目は節穴か!?サラリーを全部置いていけ!」

静まり返る記者席に向かって、罵り続けたと言うことです。

■クレイの功績は、パワー勝負だったヘビー級にスピードを持ち込んだことをはじめ、ボクシング技術の近代化を一気に押し進めたことだけではありません。

彼の試合前の「ビックマウス」は恒例の行事となり、ボクシングの試合を、マスメディアと結びつけたメジャーなエンターテイメントとして発展させていきました。

現在、ヘビー級のボクシングがビッグマネーを生む巨大なビジネスになったのは、彼の功績であるといっても過言ではないでしょう。

むしろ、強すぎるゆえの味気なさを、彼のショーマンシップが補っていたというのが、その後の展開です。

翌年リストンとの再戦では1回KO勝ち。その後、ライセンスを剥奪されるまで9度の防衛を果たします。

■もうお分かりでしょうか。

■さらに大きなサプライズが、試合後に待っていました。

カシアス・クレイは、記者会見で、自身のイスラム教への帰依を表明、「モハメッド・アリ」と改名することを宣言したのです。





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Last updated  August 7, 2006 10:40:03 AM
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■コメント

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へぇー  
いつも自然と引き込まれて行く文章構成ですよねー。
素敵です!

以前のブログと共に、モハメッド・アリに興味が! (August 9, 2006 08:30:31 AM)

Re:へぇー(08/07)  
TKCV  さん
楽まうくコンサルティングさん
有難うございます。アリは、物語になりますね。試合のビデオを観たら、きっと好きになりますよ。 (August 9, 2006 11:38:33 PM)

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